フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

失敗物語・3

失敗物語の例として「社長失格」を引用しましたが、この「社長失格」が参考にした本がジェリー・カプラン「シリコンバレー・アドベンチャー」(日経BP刊)です。
これも一つの失敗物語として1995年ごろ、喧伝されていました。
Amazonの書評にはこう書かれています。
「ペン・コンピューター、世界を変えるアイデアを武器に、体ひとつでコンピューター業界へ。裏切り、陰謀、仲間との熱い友情。シリコンバレーを舞台に、主人公たちの夢と情熱を描いた感動のドキュメンタリー。」
前者にもマイクロソフト創始者ビル・ゲイツが登場しますが、こちらの本では悪魔の代表みたいな形でジェリー・カプランと対峙しています。
失敗とは、すなわち他人から足をすくわれること、ベンチャーの世界では常識というものなのかもしれません。
コミュニティFMの失敗とは、ではどういうものでしょうか。
一番多いのは、放送局経営に関する知識が不足していたことでしょう。
私がやれば何とかなると思ってコミュニティFMをスタートさせた方が多いのです。
確かにそういう方は、昨日書いた条件1、条件2、条件3は十分認識されていたのだと思います。
しかし、それ以上に放送局には条件4、条件5、条件6・・・と続く要素があったということです。
例えば、放送局の営業の仕方。
番組の作り方を知っていても、営業の仕方を知らなければ経費ばかりが出て行き、入りがないため行き詰まってしまいます。
藤田晋さんの項でも書きましたが、IT業界が営業に暗かったように、コミュニティFM関係者も営業に強い人は少なかったのは事実でしょう。
また営業に強い人は、逆に編成に弱かった。
で、どうしても局内で軋轢を生じ、100%の力を発揮できないまま局を去られた方も多かったようです。
何度もいいますが、広域局の営業は広告代理店とのコラボがあったからこそ、成り立っていたのです。
局の力だけで何とかなるなんて、一部の例外の局を除いて存在しなかったのではないでしょうか。
コミュニティFMには、広告代理店が絡むことはあまりありません。
でも、例えば広告代理店がバックにおられるコミュニティFMや、地域情報誌が関与されているコミュニティFM、最近顕著なCATVのラジオ版という形で始められたコミュニティFMなどは営業的な失敗はそれほどなかったような気がします。
一番失敗するのは、そこそこ資本を集めることができたコミュニティFM、オーナーが地元の名士というコミュニティFM、地元の方々が集まり金を出し合って作ったコミュニティFMなどではないかと思うのです。
一言でいうと、経営者に企業家精神、あるいはハングリー精神が目立たない局は、どうしても経営に躓きやすいということです。
明日もこの続きを。