フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

失敗物語・6

「社長失格」を書いた板倉雄一郎さんが別の本で書いておられたことですが、日本では失敗は悪とみなされ、失敗したものを排斥する傾向があるのだそうです。
対してアメリカはどうか。
失敗したことがないものを信用しない、言い換えると失敗経験があるからその人のビジネスプランを信用するといいます。
先日とりあげたジェリー・カプランは「シリコンバレー・アドベンチャー」の中でも書いてある通り、7500万ドルという資金をつぎ込んだ事業を失敗させ、破産しました。
しかし、その後めげることなく別の事業に取り組み、今やその会社の株式の時価は4200万ドル。
失敗、それも壮大な失敗をすることによって、より大きなビジネスを成功させたとも言えるわけです。
板倉さんは、こうも書いています。
「日本では、成功はねたまれ、失敗は悪とみなされる。」
どうもわが国でビジネスを起こすことは、それだけでも大変なようです。
1984年に出版された『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(戸部良一野中郁次郎他著 ダイアモンド社)という本があります。(当時、失敗を正面から捉え分析した画期的な本と喧伝されていました。)
失敗に学ぼうとしない日本軍の体質は、今の社会にも脈々と生き続けているのがわかります。
失敗を購うのは死しかない、いわゆるハラキリ、切腹です。
で、そんなことは幾ら軍人でもしたくないわけですから、失敗そのものを隠してしまうというか、それ自体を認めない。
何の反省もされないまま、失敗した方法論を延々と続けてしまうという結果になるわけです。
失敗を認めることが推奨されている文化があれば、日本軍の見るも無残な敗戦はなかったのかもしれません。
何しろ、アメリカでは失敗の教訓が直ぐに改善に結びつき、軍事力はさらに強化されたわけですから。
どなたかもコメントにお書きだったと思いますが、失敗を主に取り扱っている失敗学というのがあります。
「失敗学(しっぱいがく)とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な)直接原因と(背景的・組織的な)根幹原因を究明する学問のこと。」(Wikipedia
失敗は悪であると考えるのでなく、失敗を肯定的にとらえ、その原因を究明することによって、次の成功を導くということでしょう。
コミュニティFMにとっても、参考になる考え方と思います。
何故、失敗した方法論を、新しくできたコミュニティFM局が踏襲し、繰返したのか。
それがブームだったから、深く考えることなく安心してその方法論を採用してしまったのかもしれません。
もちろん、一概に失敗とはいえない局も多いので、断定的には言えないというのも事実だと思いますが。