フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

しんくう地帯

70年の頃、FM大阪の番組に「しんくう地帯」というのがあった。
日曜日の深夜3時から朝にかけての生番組だった。
当時は、日曜日の深夜はどの放送局も電波をとめていた。
ラジオファンにとっては、少し寂しい時間だったのだが、そこへFM大阪が何を思ったか放送を始めたわけである。
内容は別にどうということはない。
片山知子さんというDJが、アシスタントの人を相手に世間話をするだけである。
リスナーに向かって話をするのではなく、彼等の日常をそのままオンエアしているという風情。
ここに皆さんと時間を共有している仲間がいますよというのがメッセージだったのだろう。
今日は話をすることがないからといって、レコードを延々かけたり、オフマイクで誰かとぼそぼそ話をするから何を言っているのかわからなかったりして。
それでも、いいのだ。
君たちはひとりじゃない。
こんな時間にも起きて、同じ時間を過ごしている人間がいるのだというシチュエーションが何にもまして暖かった。
コミニュニティFMもある意味、そういう類いの番組をしてみたらどうだろう。
深夜は生放送。
別に、喋り手の気分で放送していい。
同じ時間を生きているのだと思うと、ある程度のことは許したりできるのではないだろうか。
人間はどこか孤独なものである。
あなたがそこにいてくれるだけで私は満足だという気分。
でも、やっぱり鼻につく喋り方されるとかえってむかつくかも。