フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ボランティア3

私が開局の手伝いをしたコミュニティFMで、マネジメントの責任者がこんなことを言っていたのを思いだした。
「私は、放送局は正確できれいな日本語を話すべきだと思っている。近くのコミュニティFMはボランティアと称して、素人に勝手なしゃべりをさせているが、私はあんな放送局にするつもりはない。」
だから、出演者には経験者を優先して選定してほしいと要請されたりした。
私はちょっと困ってしまった。
ボランティアは信頼できないから、採用しないというのは理解できる。
だが、その代わりに喋りのプロを使ったら、制作費がかさむだけではないか。
私は、とても制作費に見合う売上は無理だと指摘したが、地元の企業にお願いするから何とかなる、とにかく、乱れた日本語が飛び交う番組だけにはしてくれるなと懇願された。
確かに、プロの喋り手を使うことによって、制作現場は安定した。
やはりプロ集団は動きが合理的で、意味のない動きは少ない。
だが、それによってできた放送は魅力的かというのは全く別の話だ。
むしろ、素人の無手勝流な番組の方がリスナーの心にささるのではと思わないでもなかった。
きれいな日本語に感動する客などコミュニティFMのリスナーにはいない。
どうやってもNHKには太刀打ちできない。
蟷螂之斧そのものではないかと、制作現場を熟知していた私は責任者の望みの儚さを思いやったものだった。
ボランティアを使うべきか使わざるべきか、このコミュニティFMは結局使わないという結論で望んだわけだが、それが後の業績に繋がったかというとそれは疑問だ。
まだボランティアに作らせた方が面白いのではないか、私にそう指摘する人もいたりした。
番組に金をかけたからといって、業績に繋がらないのなら、ボランティアでいいではないかという指摘も。
コメントにもあったが、ボランティアという言葉を使うからいけないのかもしれない。
ノーギャラでもかまわない、放送現場が好きなんだと言う人に、利益が出るまでは手伝ってもらおうという局の方針が明確であった方がいいような気がするのだが、皆さんの局はどうなんだろう。