フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ブランドとしてのラジオ(その1)

最近、驚いたことの中に、大阪にあるラジオ局、FM802の営業不振がある。
京都のラジオ局の方からお聞きしたのだが、昨年12月の売上が大阪局で最下位になったのだとか。(FMcocolo除く)
つまり、朝日放送毎日放送ラジオ大阪、FM大阪、FM802の中で、最下位ということなのだろう。
大阪で聴取率ナンバー1を開局以来言い続けてきたFM802がである。
いくつかの条件が重なって、たまたま12月に最下位になっただけかもしれないが、聴取率1位が売上最下位となると、その衝撃は計り知れない。
一言でいって、FM802というブランドがもはや商売に直接繋がらなくなったのだろう。
ラジオという媒体価値が落ちた→FM802はラジオ、ナンバー1ステーションを標榜してきた→ラジオが凋落するとともに、FM802の媒体力(ブランド力)も同様に衰退していった。
FM802売上減にはもう一つの要素がある。
それは、音楽業界の売上がラジオ以上に衰退しているからだ。
802の力の源泉、ブランドの源泉は、音楽業界にあった。
そのコンテンツは、強固な音楽業界との紐帯から生まれていたと言っても過言ではない。
それらのイメージが、他業界のクライアントを引きつけてきたのである。
若者の聴取率ナンバー1というステータスとともに。
しかし、今やラジオ自体が出稿リストから外されるようになってきた。
1位だからどうだというのだ、ぐらいの反応しか返ってこなくなるとしたら、従来のビジネスモデルは立ち行かなくなる。
ブランドは盲目的な従属心を生む。
そのブランドを維持できなくなった時、そこには赤裸々な現実しか残らない。
東京でも、聴取率トップは最近ずっとTBSラジオだ。
にもかかわらず、TBS全体としては赤字。
多分、TBSラジオも聴取率と売上はさほどリンクしてはいまい。
あれだけ、面白い番組を並べていても、ラジオは苦しいのだ。
ということで、しばらくラジオとブランドについて書くことにする。
適正価格については、またその後でということで。


ところで、先日福岡にあったstyleFMの「六本木の巫女」が詐欺容疑で逮捕された。結局、彼らはコミュニティFMのブランド力を利用して詐欺的商売を続けたわけで、こういう怪しげな部分が報じられることで、コミュニティFM全体のブランドイメージが毀損されることになるわけだ。
ブランドイメージの保持には、コミュニティFM業界ももっと力を入れていくべきではないか、そう思った次第である。