フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ブランドとしてのラジオ(その2)

実は、コミュニティFMとブランド論については、今までに50回近くとりあげてきている。
興味のある方は、上のHatena検索欄で「ブランド」と書いて探していただければ、私の考え方がよくわかるだろう。
その中で、ブランド=信頼性(信用)という観点から2008-10-28に書いた「コミュニティFMを売ろう!・本編12」を再掲する。
ブランドを毀損することが、いかに媒体価値を下げるかがわかるだろう。


「テレビやラジオでおなじみの〇〇」という手書きのポスターを商店街などで見かけることがあります。
人気番組で取り上げられたりすると、そのポスターの価値は更にあがります。
そうか、テレビやラジオでおなじみなのかと思うと、騙されたと思って一度は覗いてみようという気になりませんか。
同じことはコミュニティFMにも言える場合がありそうです。
「××FMでスポット放送中!」と書くと、××FMの名前をあまり聞いたことがなくても、スポット放送中という言葉に少し興味を持ったりするのではないでしょうか。
××FMが地域でそこそこ有名なら、その注目度は更に上がるでしょう。
スポットを放送したからどうこうというわけではないと思います。
相当本数のラジオスポットを集中投下しても、リーチする層は限定的でしょう。
それよりも、数本のスポットをラジオで流し、「××FMでスポット放送中!」とポスターに書いて張り出したほうが、訴求力は上がるのではないでしょうか。
つまり、ここでは××FMという名は、明確にブランドという認識。
そのブランド力を持った局にスポットを放送しているというのがステータスとなり、ユーザーがその店に信頼感を持つという構造なのだと思います。
放送局というのは、少なくとも他のメディアよりブランド化しやすい存在ではないでしょうか。
コミュニティFMの開局=ブランドの獲得というイメージを持たれる方もおられるはずです。
ただ、実際のところは、開局したらどの局もブランド化するわけではありません。
やはり、ブランド化するための努力、均質性、均等性の維持など越えるべきハードルは数多くあります。
適当に放送しているというのが、一番ブランド化から遠ざかります。
常に他局との差別化をはかりつつ、ワンアンドオンリーの局を目指していれば、レベルの差はあってもブランド化に近づくことは確かでしょう。
J-WAVEのブランドに頼るといっても、全番組をJ-WAVEにするわけには行きません。
どうすれば、J-WAVEを中に取り込みながら、均質化、均等化した編成を達成できるか、それこそコミュニティFMの局の方針が問われてくるでしょう。(以下略)
最近目立つことで、これは確実にブランド価値を毀損させているなと思うのは、次の3つだ。


●ラジオショッピングの多用。
●宗教関連の番組やスポットの大量露出。
●パチンコ等の風俗関連や公営ギャンブル系の番組やスポットの大量露出。


背に腹は代えられないのはわかるのでやめろというつもりはないが、それがラジオのイメージを悪くさせ、リスナーの局への愛着心を弱め、ブランド価値そのものを毀損しているということをどこまで自覚されているのかが気になるのだ。
私が営業をやっていたころは、いわゆるナショナルスポンサーの名前が綺羅星のように並んでいたし、上記のようなスポンサーは謝絶していたのが現実だった。
それが、ハイクラスなイメージを作っていたし、それゆえ局のファッショナブルな差別化もはかれたのだと思う。
ラジオのブランド=ラジオ局の信頼(信用)ということをもう一度再認識してほしいというのが、とりあえずの今日の提言。
この話、もう少し続けたいが、長くなるので又次回。