フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

適正価格(その8)

さて、ラジオの適正価格である。
ラジオというメディアに対するニーズが相対的に落ち込んできたというのは事実なのだから、その価格は当然下降するのは避けられない。
先日ある局に、私関連の出稿があって、その時間の価格などを聞きに行った。
営業マンは私にあるセールスシートを見せ、「一応この値段ですが、予算はどれぐらいですか?」と聞く。
その価格は私の考える額の5倍はあった。
「へえ〜、今どき、こんな額で出稿してくれるクライアントあるの?私の希望はこれぐらいなのだけど。」と言うと、「あ〜、そうですか、私としてはそれで良いとは言えないので、ちょっと上司と相談して・・・。」
何だか、大型電器店の値切り交渉みたいだ。
結局、「軒並み同商売やし、朝商いでもあるし、あんさん方のことでもありますから・・」などと落語の「壷算」みたいなことを言いあいながら、適当なところで折り合ったのだが、ま、私としては適正な価格だったと思ったりしたわけだ。
で、実感したのが、もはやラジオ業界の価格破壊はどうしようもないということ。
かっての価格表には、もはや意味はない。
もっと違った、商品の提示の仕方はないのだろうか。
スポットをスポットとして売るのでなく、タイムをタイムとして売るのでなく。
昨日書いた、マックのキャンペーンなんて、グロスの予算を適正な割合で各局に分配しているのが実情だろう。
100局から文句を言われることなく分配するなんて普通なら大変だが、それは大手代理店だからこそ各局を納得させたのだろうと思われる。
コミュニティFMにも、グロスを渡されてそれを放送した局で分配するということがあったと思うが、それを担当した人から聞いたところによると、各局から額に対して文句が出たり、放送確認表も提出されなかったりでその後処理で大変だっという。
コミュニティFMの価格なんて、その局の力量に本来比例するはずなのだが、その力量を客観的に判断する材料が乏しい所為かどうしても平均化する傾向にあるらしい。
ちなみに、全国のコミュニティFMのスポットやタイム価格をネットで見てみたのだが、各局の適正価格というより、適当価格というのがずらっと並んでいるという印象だった。
都市部にあってそこそこ人気の局で、スポット1本1000〜2000円なのに、きわめてローカルな地域の局がスポット1本4000円などと書いてある。
実際の商いの中、現実的な価格に改定した局もあると思うし、開局時に他局の価格を参考にしてそのままという局もあるだろう。
皆さん既におわかりのように、コミュニティFMといっても、それが立地する地域によって価格表が違うのは当たり前。
その商売のやり方も、蓋然的にこうと決まっているわけでもない。
ということで、この項、長くなるので又次回。