適正価格(番外編)
今日は、興味深い二つの動きがラジオ業界にあった。
一つは、マクドナルドが仕掛けたキャンペーン。
1/6の宣伝会議ヘッドラインニュースにはこう書かれていた。
日本マクドナルドは、7日から期間限定でBig America2キャンペーンを実施するのに伴い、10日に民放ラジオ100局でBig America2特別番組を生放送する。番組では視聴者から今年の「ビッグ」な夢や目標、テキサス2バーガーを食べた感想などを募集し、番組内で発表。メッセージ投稿者の中から抽選で、マックカード1000円分を40名にプレゼントするキャンペーンを展開する。100局による1社提供の同日特別番組は異例という。さすが、大手広告代理店!というべき壮大な企画である。(別にマックカード100万円分を1名にプレゼント!)
それもラジオ100局を使ってというのが、ラジオ局出身の私には見過ごせないところだった。
上のニュースを補足すると、このキャンペーンの肝は、ラジオの番組とツイッターをメディアミックスしていることで、単純に100局で各局の看板番組を使って生放送するだけでなく、それにツイッターでリスナーに情報発信させるところが画期的なのだ。
キャンペーンに参加するためには、まずツイッターのアカウントを登録、次にマックのアカウント@bigamerica2をフォローし、実際に情報を書き込むときにハッシュタグ#ba2を書き込むというもの。
これでは、普段ラジオを聴かない若い人も、自然とラジオに興味がわくようになるし、またマック側もツイッターユーザーを大量に取り込めるということになる。
親マックのユーザー・アカウント名が一挙に手に入る、しかも今回はradikoを効果的に使っているので、代理店的にも大いなるメリットが生まれるのだ。(radikoも番組に連動して特別仕様にしていたのもすごい)
さすが、大手広告代理店様。
100局といっても、全国平均で1局50万ぐらいではないだろうか。
電波料だけで5000万円。
実際はもう少しかかっているだろうが、クライアント的に見れば安いものだ。
今後、今回のキャンペーンをデータ化し、その方法論を別に使うことになるだろう。
ラジオ業界としても、その結果には大いに期待したいところである。
そして、もう一つは福岡で行われ、Ustreamで中継されたツイッター部長こと元カトキチの末広さんのセミナー。
末広さんはこの中で、今日のマックの100局キャンペーンを紹介しながら、「今、ラジオは来ている」と表現。
自分もラジオをうまく使ってきた、とにかくラジオにはリスナーがいる、そのリスナーが既にコミュニティを構成しており、その関わり方も深いと喝破されていた。
人気のある番組であればあるほど、その要素が強く、単純にその番組を提供すれば、自然と自分たちの商品も仲間に入れてくれるようになるという発言をされていた。
しかも、ラジオは安いとも。
その後、出てこられたFM福岡の方がこう言われた。
「カトキチがツイッターを通じて提供してくれることを一番信じられなかったのは上司だった。何故、カトキチが番組を提供してくれるのか、何が目的なのかと詰問された」らしいのだ。
ラジオを信じられないのは、ひょっとしたらラジオ局側の人間なのかもしれない。
ツイッター部長は、綿密な情報収集と幾つかの試行錯誤の末に、今の方法論に行きついたのだという。
新しい文化は辺境からやってくるというが、まさしくその通りだなと今日は強く納得してしまった次第だ。