フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

radikoの成功?

文化通信さんの編集局ブログ“BunLOG”本日分に「radikoの成功とは」というタイトルで興味深い指摘がされています。
http://blog.livedoor.jp/bunkatsushin/
12月から事業会社が立ち上がり、いよいよ成功への船出へという段階にさしかかったように見えるradikoですが、その航海はまだまだ並大抵のものではないようです。
一部を引用します。


今回の会見の様子を伝えた各メディアの見出しでも「ラジオ復活」という文字が躍っていますが、3月に試験サービスを開始して以降、例えば首都圏の個人聴取率調査の結果は決して上昇傾向にある訳ではございません。
新たな年齢層がリスナーのメイン層になっているとか、デバイスが広がって若年層も取り込んでいるとか、新規/復活のラジオファンを獲得したなど、会見ではアンケート調査を元にした実績が紹介されていますが、レイティングには結びついていない。答えは単純で、まだradikoで聴く絶対数が少ないからであります。
ラジオに回帰した人が増えたという話がradiko関連の記事でよく書かれていますが、確かにそういう人は存在していても全体から見れば少数だということなのでしょう。
マーケットを形づくるところまで行っていない。
要はradikoマーケットをどう作るかが問われないといけないのです。
既にできあがりつつあるんだというのは、幻想に過ぎないともいえます。
そして次のような指摘も。

 かといって、radikoユーザーがどんどん増えれば良いという単純な話でもありません。同時アクセス数が限られる通信サービスですから、その分システム増強が必要。となると、かなり長期的な展望になりますが、将来的にはIPv6マルチキャストへの再移行(大阪実験当時の方式)なども考えられます。
とにかくマーケットが成立したらしたで、新たな投資がさらに必要ということになるわけです。
その投資をする主体が、12月にスタートする事業会社だということなのでしょうが、現場からあまり投資する対象分野の話は聞こえてこないのが気がかりです。
今の延長上でradikoを考えてはいけないという理由の一つでもあります。
最後に、ブログはこう結びます。

 しかし、ラジオ復活は極めて喫緊の課題でもあります。入口はradikoで聴いて、可能な限り放送波での聴取に誘導するという方策も考えられますが、ソーシャルメディアとの連携や新たな広告開発など「ネットとの連携による、より魅力ある音声メディア・ラジオの新しい楽しみ方」が広く享受できないのも残念な話です。そうなるとV-LOW帯マルチメディア放送に期待、ともなってきますが、まだ道のりは遠い…。いやはや難しい問題です。
日々、放送業界の関係者に取材されている方だと思いますので、この感想は重いという気がします。つまり業界の考えていることには一貫性がないし、また新しいソリューションも今のところ見えないという指摘でもあるのではないでしょうか。
radikoは魅力的なツールであることは、私も繰り返し述べてきました。
その魅力的なツールを使いこなせない今の放送業界、果たしてこれで良いのかという問題提起と受け止めることが必要なのかもしれません。