フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

radikoの功罪

さて、radikoがラジオ局にとって結果的に恐ろしい存在になると昨日書きました。
おそらく、この欄をお読みいただいている方は気づかれていることだと思います。
radikoの功は、何と言ってもPCでクリアにラジオを聴くことができるということにつきるでしょう。
前にも書きましたが、augment機能がradikoにあるということです。
今までのラジオを拡張する機能といいましょうか、それが新たなライフスタイルを作ったり、別の楽しみを得られたりするからです。
できれば規制が緩和され、どこにいても全国の放送が合法的に聞くことができるようになれば、ずいぶんラジオ放送というのが変わってくるのではないかと思います。
V-lowとかV-highのデジタルラジオに期待されているものが、相当の部分radikoで補えてしまえるのではないかと思うのです。
もちろん、事業会社ができたからといって、radikoにどんな機能を加えるのか未だ明らかではありません。
広告の拡大が期待されるといっても、それはユーザーにはあまり関係のないことです。
radikoが新しく提供するサービスとは何なのか。
広告の拡大とリンクするのは、まさしくこの新たなサービスに他ならないからです。


では、罪の方を考えて見ましょう。
これは、専ら今のサプライヤー側、つまりラジオ局側にあります。
早い話、radikoが普及すれば、広告主側にリスナーの実態が筒抜けになるからです。
従来、ラジオ局にとってはユーザーを客観的に数量化している指標は、聴取率調査だけと言っても過言ではないと思います。
およそ統計とは言えない様なバイアスをサプライヤー側が加えるという、その信頼性に首を傾げたくなるような調査でした。
しかも、記憶を頼りの日記式。
かっては、そういう方法しか取れなかったのでしょうが、今は幾らでも客観的な指標を得る方法があります。
でも、ラジオ局側はそれを喜んで取り入れることはありませんでした。
真実の数字は要らないのです。
営業に繋がる数字が出ればそれで良し、実際に聞かれているかどうかは二の次というのが私の実体験でした。
そして、デジタルの時代が新たな黒船とともにやってきました。
今、ラジオ幕府の中枢は上を下への大騒ぎです。
ほとんどのラジオ関係者は心配そうに、幕府の行く末を見守っています。
さて、ラジオ界に龍馬は現れるのか。
それは又次回に。