フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

radikoは新しい広告収入を生むか?

ある人のブログを読んでいたら、radikoが再びAM放送を聴く習慣を私にもたらしてくれたとあった。
かってのラジオリスナーが再びラジオを聞くようになったというのだ。
それは、ラジオ業界に福音をもたらすだろうとその人は予言する。
何しろradikoは既得権者(放送局)にとって、追加された利権なのだからということらしい。
今までラジオを聞かなかった人が、ラジオの世界に戻ってくる。
リスナーが増えるから、そのまま利権になるというのだが、さてそんなにうまく行くのだろうか。
とにかく、radikoによってリスナーがこれだけ増えたというデータを早く報告書にするべきで、単なる推測は顧客層を動かす材料にはならないというのが私の考えなのだ。
増えたのなら、こういう層がこれだけ増えましたと言わなければ、イメージだけになってしまう。
ラジオはそんなあいまいな印象をアピールしても、今の事業的衰退を止められないと思うのだが、業界人はそこまで考えてはいないようだ。
これで別の広告収入を得ることができるかもしれない、電通さんが考えてくださっているのだからきっとそうなるだろう、ラジオの新しい夜明けが始まるのだ!なんて思われているのならただただオメデタイ限り。
radikoによって付加価値が生まれ、それが広告収入になって放送局に戻ってくることを希望されるのはわかるが、その収入は先日も書いたが、ネットユーザーが横取りすることもありうるのだ。
放送局が情報を独占できる時代ではない。
より便利なアプリを開発し、ラジオをもっと聴きやすくできるウェブサイトを構築すれば、リスナーはラジオ局のサイトに行くのではなく、こういった別のポータル的サイトに行ってしまう。
もちろん、「誰の許しを得て、ここで商売しとるんじゃい」とすごむことはできるかもしれないが、そんなことをするとネットユーザーから総スカンを食うのは目に見えている。
業界は違うが、レコード会社が不法な複製を防ぐためにとCCCDなるCDもどきを作り、その結果、さらにCDが売れなくなったという事実は教訓的である。
向谷実さんが津田大介さんと先日行ったUst中継で、CCCDによってCDを買わなくなったかどうかを聞いたところ、半数以上がイエスと答えていた。
業界の利益を最優先し、ユーザーの利便性を邪魔すれば、結局どんな試みもユーザーによって葬られる、そういう厳しい例の一つになったのだ。
電通さんが、radikoによって次にどんな商売を具体的に提起されるのかは知らない。
ただ、それは一方的に放送局側を利するものではないだろうと私は思う。
これからはユーザーとのコラボレートが計られなければ利益構造は生まれない。
リスナーは単なる電波の受容者ではありえない。
そうは思われないだろうか。