フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

Augmented Radio(拡張ラジオ)

12/17の書き込みについて補足というか、説明です。
テクノロジーの進歩がラジオの機能を拡張するという話ですが、私のような世代にはFMの出現と言う形で、そのことが証明されたことを実感しています。
FMとはFrequency Modulation(周波数変調)のことです。
従来のAM(Amplitude Modulation 振幅変調)で実現できなかったことが、FMというテクノロジーでラジオを拡張させました。
一つは、音質が格段によくなり、音の帯域も広く、また電波自体も安定したものになったことです。
高級チューナーや、プリメインアンプなど、その電波特性をより強めることができるシステムも整備されていきました。
もう一つは、周波数帯域を広くとれるようになり、ステレオ放送が可能になったことです。
一度に2つ以上の信号を周波数に乗っけることができたため、後には4ch放送も可能になりましたし、見えるラジオなどの文字多重サービスも生まれるようになりました。
つまり、FMというテクノロジーがラジオという音声媒体を拡張したわけです。
FMについては、何度もここで書いていますが、一時期はFM産業といえるほどの活況でした。
FM雑誌だけではなく、高級オーディオ機器やリスニングルームなどで住宅設備産業も潤しました。
カセットが世に普及し爆発的に売上を伸ばしたのも、エアチェックという行為が普及した賜物です。
ただ、ラジオ業界においては、このFMの出現以上のラジオを拡張させるテクノロジーがさほど生まれていません。
4chシステムは、一時期レコード業界をまきこんで話題になりましたが、結局は普及しませんでした。
リアスピーカー2台が空しく押入れに置かれたままという人も多かったのではないでしょうか。
その後、PCM(pulse code modulation パルス符号変調)という新たな変調方式が生まれて、ミュージックバードなどの衛星ラジオが採用し、より音質のいい放送を目指したわけですが、その普及状況は皆さんご存知の通りです。
PCMがラジオを拡張することはできなかったと言ってもよいと思います。
他にもAMステレオは見事に失敗、ニーズはないわけではないのですが、ラジオ業界を拡張させる要素が薄かったということだと思います。
Augmented Radioの項、飛び飛びになると思いますがしばらく続ける予定です。


ということで、メリークリスマス!