フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

あるレポーター・2

レポーターの話を続ける。
ラジオとテレビのレポートのやり方は基本的に違うということを理解していない人が多い。
テレビには映像がある。
それゆえ、レポーターが見せないといけないのは映像。
しゃべりはその映像を補強するものでなくてはならない。
見せるものは見せる。
そのための「間」、視聴者が映像を認識する時間をどう取るかも大事だろう。
レポーターの勝負は、その映像を補強するための表現力ということになる。
自分の話芸を聞いてもらうもよし、声の魅力で個性を発揮するもよし。
ラジオのレポーターは違う。
まず伝えないといけないのは、自分がどこにいて何を見ているのか。
そして今からリスナーに何を伝えようとしているのか、これらを瞬時にまとめて表現しないといけない。
そうしないと、リスナーは何が何だかわからないまま、レポーターの喋りにつきあわないといけなくなる。
リスナーにとって、何が何だかわからない時間が1分も続ければ、確実に聞く気をなくしてしまうだろう。
また、そういう放送をするレポーターにイライラしてしまうに違いない。
映像に逃げるということは一切できない。
すべて自分の言葉で、リスナーに今見ている風景をイメージさせることがレポーターの基本である。
まずイメージを共有する、それがラジオのレポーターとリスナーとの関係の第一歩と考えてほしい。
目の前の友達にしゃべるように、自分の思いつくままを話せばリスナーに通じるなんて思ってはいけない。
これが貴方が人気者で、リスナーのほとんどはファンだという関係なのであれば、何をどうしゃべってもリスナーは聞いてくれる。
だが、レポーターはリスナーに甘えてはいけない。
面白いことがいいたい、自分をもっと表現したいと思うのであれば、イメージをリスナーと共有しているということが認識できてからにしてもらいたい。
とにかく、喋りがうまいとか下手とかいう問題ではなく、リスナーの気持ちがわかるかわからないかという感性の問題だと思う。
感性の鈍いものは、ラジオのレポーターには向かない。
というか、感性が鈍い人は、それだけで放送業界に元々向いていないというのが正確かもしれないが。