フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

あるレポーター

ある新人レポーターがいる。
育成をかねて私の関連している番組に出てもらっているのだが、制作者側の期待通りにはなかなか動いてくれない。
人間的にいい面もあって、使い勝手はいいのだが、如何せん必死さが足りないのだ。
頑張ります、絶対に誰にも負けませんと宣言したのに、どこが頑張っているのだと苦言もちらほら。
レポートする地域の資料を事前に渡しているのに、下調べがおざなり。
地名の読み方をインターネットで調べて、それで終わりだったりする。
字さえ読めればいい、というのでは困るのだ。
しかも、そのネットの読み方が往々にして間違っている。
「調べました、ちゃんとそう書いてありました。」というのだが、その土地を知っているものからすると、そんな言い方は地元ではしなかったりする。
ネットに書いてあることは、必ずしも正確ではないことぐらい、放送人の常識ではないか。
市販されているような地名辞典は信頼できても、ネットの資料など信用できないと考えた方がいい。
とりあえず説教するのだが、本人はその真意がわかっていないようだ。
ネットが信用できないなら、何を信用したらいいのですか、などと真顔で言ったりする。
ネットが信用できないということがわかっていれば、間違わないためにどうしたらいいのかを学べばいいのだ。
何を信用したらいいのか、なんて話になるわけもない。
ネットで多くのサイトにアクセスし、少なくともそれが正しい可能性が高いということを確認することが第一。
次に、幾つかのサイトを見る中で、どれが一番信頼性があるのかを頭の中で分類しておくことだ。
こういうものは信頼できる、こういうものは信頼できない、それぐらいは体験的に記憶しておかないといけない。
個人のブログに書いてあるから、大丈夫だろうというのが一番危ない。
何しろ、いつのまにかネットにはブログだらけになってしまい、かってのような信憑性のあるサイトの割合は減る一方なのだから。
とにかく、これからレポートするのだから、事前に手にいれるだけの情報を持っているべきだ。
現場では、それを確認するのもいいし、知らなかった情報に接したら、そこをもっと広げるとか考えればいいのだ。
天然だけでレポートできる人など、それほど多くはない。
とにかく、レポーターは事前情報集めが基本。
現場で何とかなるなんて、やっつけ制作会社の悪い風潮に染まらないことを願う次第だ。