フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

フロウからストックへ

これからの放送局の一つの生き方として「フロウからストックへ」という概念を提起したい。
従来の放送は、電波は宇宙に飛び出してそれで終わりだった。
電波も時間もただ消費されて捨てられていたといえる。
しかし、今や時間もコンテンツも簡単に固定化できる時代になった。
デジタルの可能性は無限大であることは、だいぶ前から言われていたことだが、ようやくそれが実感となって現れるようになったのではないか。
ここに一つのビジネスチャンスが生まれる。
私はそう思って、しばらく「フロウからストックへ」という話を書いてみる。
今のラジオ局でも、いくつかの番組がストック化され、新しい商品価値を生んでいる。
3月で終ってしまったが、「松本人志の放送室」。
番組がそのまま本にもなったし、CDにもなった。
制作費がなくても、それをアーカイブすれば、十分リクープするということがよくわかる。
もちろん、その番組に中味がなくてはいけないし、独立して商品価値が生み出されるものでなくてはならない。
ただニーズは存在する。
そのニーズにみあったコンテンツ(商品)を生産する力がラジオ局側にあるかどうかだ。
これも先日終ったABC「誠のサイキック青年団」も関連図書やDVDが話題になった。
タイトロープな番組だったが、瞬間的な商品価値は大いにあったと言わざるをえない。
かっては、ニッポン放送オールナイトニッポン、あまりアーカイブされてはいないが、今でもストック的価値がある番組である。
大阪で言うと、MBSの「ヤングタウン」などもこれにあたる。
とにかくラジオが、次々に若者達に話題を与えた。
それを広げるのがリスナーだった。
都市伝説などというものも、日本においてはラジオによって広く伝播したのではなかったか。
「悪の十字架」「恐怖の味噌汁」、ナンセンスな言葉遊びも若者の心に敏感に響いた。
ラジオには、まだまだストックして商品化できる素地が現存している。
要は、それをラジオ制作者側がどこまで認識できているのかだろう。
明日もまたこの話を。