フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

R25・その2

R25の話を続けます。
何故、この雑誌(フリーペーパー)がR25、すなわちターゲットを男性25〜34歳にしたのか。
私の推測では、多分深い意味もなく、そう設定したのだと思います。
表面的な解釈では、まず学生ではない層を対象にする、できればヤングサラリーマン。
ミドルエグゼクティブ要素は削る、深い人生論とか哲学論は排除、時代の表層を紹介するのにとどめる、ま、社会人として知っていないといけない知識を羅列する以上のことはしない。
一番近いのは、既に廃刊になりましたが「ダカーポ」あたりではなかったでしょうか。
買ってまで読まないかもしれないが、無料なら読むはずという戦略のような気がします。
ただ、広告需要が落ち込む時(例えば2月とか8月とか)は、制作費の回収もおぼつかないかもしれません。
晴れる日もあれば曇る日もあるのが、広告業界です。
出版不況の真っ只中、R25もいつまで発行を続けることができるか、気になるところではありますね。
さて、ターゲット論です。
R25が何故男性25〜34歳をターゲットにしたのか、多分、そうすれば雑誌が作りやすかった、編集しやすかったのではないかと思うのです。
ラジオでもそうなのですが、とにかくターゲットにしにくい層というのは、厳然としてあります。
例えば、子供。
ラジオが子供をターゲットにするのは、ますます苦しくなっています。
子供たちは、聴覚の世界、いわゆるリスニングという行為だけでは、満足してくれません。
見せろ、見えないものは面白くない、そんなニーズが聞こえてくるのです。
そういえば、長年(44年間)続いたTBS系の「全国こども相談室」は、昨年惜しまれつつ終わってしまいました。
中学生も、ラジオを聞く層はますます減っています。
学校で昨日のラジオのことを話題にしている、ラジオを聞かなかったら仲間に入れないなどということはあまり聞かなくなってしまいました。
「すべての文化は辺境からやってくる」などと言われています。
ラジオというのは、まさしく辺境のメディアです。
玉石混交の辺境ですが、最先端のトレンドはそこから人口を膾炙してやってくるわけです。
ラジオは、その辺境の語り部でもあったのですが、その場をインターネットに侵食されつつあるような気がするわけです。
インターネットは、まさしく玉石混交、下手をすると単なる情報のゴミ貯めになりかねません。
ラジオは、それに比べればまだまし。
そこから齎される情報(文化)には、ネットよりも信頼性、安定性があるのです。
問題は、ラジオ局側の主体が、その現実に無知であることではないでしょうか。
ということで、ターゲット論、しばらく続けます。