フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

放送現場の衰退

今日の読売新聞に民放連から取材した民間放送局の9月中間決算の記事が出ていた。
「ラジオ局も含めると(民放連)加盟194社中、約5割にあたる92社が経常赤字だった。景気悪化で広告収入の減少と地上デジタル放送(地デジ)の設備投資負担が収益を悪化させた。広瀬道貞会長は記者会見で『民放連58年の歴史の中でおそらく最悪。通期はさらに悪化していく恐れもある』と述べた。」
確かにある関係者は、「昨年の夏ぐらいまではまだましだった。昨年の10月以降の落ち込みは恐ろしいほどだ。」というコメントをされていた。
広瀬会長は、もちろんそのあたりを熟知した上で、「通期は更に悪化する」と予想しているのだろう。
テレビ局は地デジ対策で新たな投資をしないといけないのに、思いがけない以上のCM出稿(特にスポット需要)の落ち込みに、茫然自失していると分析される人もいる。
ラジオはまだテレビ局よりましだろうと思っていたら、聞こえてくる話はトンデモナイものが多かったりして驚いている。
今年の4月からは、またまた制作費カット。
制作会社への外注はやめて、社員だけで何とかしろ、なんてラジオ局も出てきたようだ。
派遣をカットして、正社員をもっと働かせる、という日本の産業のトレンドがラジオ業界にも波及してきたようだ。
今まであまり手をつけてこなかった人件費のカット、いやなら辞めろ、退職金の加算もなし!
それに対する不満は大きな声にはならない。
とにかく、仕事があるだけまし、いつ自分の待遇が不安定になるか、戦々恐々としているというのが現実のようだ。
20年ぐらい前なら、もっと労働運動が激しくなり、首切り阻止、労働者の生活を守れとストライキの一つも打っていただろうに、何が何して今のような受身労働者だらけになったのだろうと思ったりする。
牙を抜きすぎたのではないか、こんなに元気の無い労働者ばかりでは、産業を活発化させる力も生まれないのではないかと心配になる。
多少やんちゃな方が、クリエイティブ能力は高いのではないだろうか。
国民の意識を国家に隷属させれば、結局国力は落ちる、一部の国家の現状を見ていると、そんな気がして仕方が無い。
日本はどうだろう。
労働運動が激しいときの方が、かえって国力は増強されたという印象があるのだが実際どうなのだろう。
などと、ちょっと極端な話を書いてみた。
とにかく、放送局の現場が、クリエイティブな刃を失いかけているのが気にかかるこのごろである。