フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

NHKの力

NHKが巨大な放送機構であることは業界人でなくても実感されるでしょう。
ミュージックバードを立ち上げる時によく言われていた言葉を思い出します。
「PCM放送には大きなハンデがある、それはNHKが参加していないことだ。」というのがそれです。
ラジオ放送にしてもテレビ放送にしても、それを普及させる原動力は常にNHKでした。
テレビのカラー化、BS放送、ハイビジョン放送、もちろんFM放送もそうでした。
NHKの加わらない放送は、すべて苦戦しています。
CSテレビ、BSラジオ、インターネットラジオもNHKがもっと開発に力を入れていたら、今よりずっと普及していたかもしれません。(IPテレビも、オンデマンドTVもそうです。韓国並みにアーカイブされた番組が自由に見られていたことでしょう。)
NHKには、受信端末がゼロであっても放送できる力があるのです。
TFMが3セグデジタルラジオ放送を始めた時も、つくづく思いました。
民放が金にもならない放送を維持するのは無理ではないかと。
案の定、一年ほどで放送は終了し、今はチャンネルは空いたままです。
チューナーを普及させるというのは、相当の腕力が必要です。
それも持続力が必要であり、そのための原資も馬鹿になりません。
NHKを役所といいましたが、いい意味で利益を考えなくていいのがNHKなのです。
普及させることが国是なら、そのために使う費用は公共投資であり、その出費は普及するまで続くことも可能なのです。
ミュージックバードも、依然チューナーの普及に苦しんでいます。
もし、NHKがCS−PCM放送に力を入れていたら、ミュージックバードはもっと違う形のビジネスを展開できたかもしれないと思うわけです。
デジタルラジオは、一時期チューナー搭載の携帯電話が100万台を越えたと喧伝されていましたが、さて今はどうなっているのでしょうか。
ワンセグを見ている人は時々見かけますが、デジタルラジオをチェックしている人は私は全く見かけません。
auもほとんど話題にしなくったようですが、新規の製品にどれだけ搭載されているのか、気になるとところではあります。
とにかく、放送業界にとってNHkは偉大なのです。
偉大なるゆえの義務、ノブレス・オブリージュといいますか、多分そういったものがNHKには必要なのだと私は思います。
この話は、明日も続けます。