フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

セールス・トーク

先日、ある飲料メーカーの宣伝担当の方とお話しする機会がありました。
新製品のラジオ展開のプランを説明していたのですが、担当の方はあまりラジオの効用には興味がなく、上司からラジオも使ってみろと言われたので対応しているという風情でした。
年齢は30歳前後でしょうか、ふだんあまりラジオは聞いていないのかと思って、私はこう聞いてみました。
「高校生の頃、深夜放送とか聴きませんでした?例えば受験勉強しながら・・とか。」
返ってきた答えは、予期していたもののやはり意外でした。
「ラジオ聴きながら受験勉強した記憶はないですねえ・・。」
いつの時代からそうなったのでしょうか。
平成に入ってから、深夜放送というのは必ずしも青春のアイテムではなくなったのかもしれません。
そりゃ、飲料系新製品の広告展開にラジオを使って見ませんかと言っても、反応があまりないのは仕方がないですね。
ラジオは若者が聞くものだ、そういう先入観は今も強いようです。
いえ、聞いていないというわけではありません、ラジオを聞かなくても若者たちは楽しい青春生活を送れるようになったというのが正確かもしれません。
情報のコアにラジオが存在する、一世代前の若者はそうだった、今はラジオは若者たちにとっても周辺メディアの一つというだけなのです。
にもかかわらず、ラジオ関係者(特にFM局)は未だに、コアターゲットは若者だといいます。
若者をターゲットにした商品が相変わらず多いわけですし、消費も旺盛なものですからそれをターゲットにしたい気持ちはわからないではありません。
しかし、ラジオはかってほど若者にアピールする要素を持ちません。
深夜放送が、若者文化の中心にあった頃は、ラジオでの広告展開は抜群に効果的でした。
安価な広告費、確実に若者にリーチする差別化されたメディアという位置づけだったと思います。
しかし、それは昔の話、今もそんな戦略を保持しているようでは先が知れています。
ラジオが唯一アピールできるとすれば、それはブランドとしての価値です。
特にFM局において、毎日聞いていないとしても、社会的なブランド力は今も健在です。
FM局がなすべきことは、ターゲットは若者ですと言い続けることではありません。
自分たちのブランドを毀損するような行為はできるだけ自制すること、むしろ自分たちのブランドイメージを上げるにはどうしたらいいかを追及し続けることです。
この話は明日も続きます。