フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

社員ディレクターのメリット、デメリット・2

私が社員ディレクターだった時、いつも思っていたのはどうしたら面白い番組ができるかでした。
面白い番組というのは、まず自分が面白いと思えるかどうかです。
生放送にしても録音番組にしても、後で聞いて「面白いなあ!これ」と思えるような番組です。
私が面白いと思った番組は、出演者もスタッフも総じて面白いと思ってくれていましたし、彼らはそういう番組に参加できていることを誇りにしてくれていました。
面白い番組には、リスナーもつきますし、業界の方も何かと話しかけてこられます。
話題になっている番組に自分も何かの形でコミットしたいと思われたのでしょう。
レコード会社の宣伝マンは、新譜をこの番組でとりあげてほしいと言ってきますし、イベンターの方はチケットがいつ発売されるかをぜひ番組で告知してほしい、優先販売も考えますからとオファーされたりしたものでした。
面白い番組の正のスパイラルというところでしょうか。
そんな番組ができるというのは、例えば私にそれだけの能力があったということでしょうか。
確かに能力はあったでしょう。
しかし、その能力も、そういう場を与えられてこそ生きてくるのだと思います。
昨日も書きましたが、社員である私にはいくらでも番組を制作するという仕事がありました。
局には、14〜5人のディレクターがいたと思いますが、普通にやっていれば普通に割り当て番組というのがありました。
言ってみれば、ローテーションで番組を作るようなものです。
一度ローテーションに組み込まれれば、よほどのことがない限り外されることはありません。
私が入社して最初の番組というのは、深夜の30分番組でした。
何を作ってもいい、好きなようにスタジオを使っていいよと言われて、試行錯誤して制作したのが最初でした。
簡単なレクチャーはありましたが、よくあんなことを許したものだなと今なら思います。
最初のスポンサード番組は、週一の5分番組。
ただ音楽をかけるだけなのですが、慣れてくると色々かけ方を工夫したり、ちょっとした仕掛けを番組に入れたりしました。
その後、ちゃんとした1時間のスポンサード番組を担当することになるのですが、先輩のディレクターがお目付け役としてついたとはいえ、そこからは私という存在自体をかけた文字通り面白い番組の探求が始まったといえましょう。
あのプロセスを体験できるのは、私が社員であったからだと思います。
制作会社の人には、とても与えられない環境でしょうし、フリーなら絶対にありえなかったというのが私の率直な感想なのです。
この項、また明日も続けます。