フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

社員ディレクターはいずこ?

ということで、私は放送局の社員として採用され、その半分以上を制作の現場で過ごさせてもらいました。
放送局は全国にたくさんありますが、私のように局出身の制作マンとして認知されるものはそれほど多くありません。
放送局には総務もあれば、営業もあります。
技術もあれば、事業もあれば、CM担当もいます。
番組を作る現場で自分のスキルを高めることができるというのは、放送局の中でも相当ラッキーな部類ではないかと今の私は思っています。
そんな中、20代の私は、ほとんど制作ディレクターとして過ごし、楽しいことと辛いことの繰り返しの中からラジオ番組制作のノーハウを会得させてもらいました。
外から見れば、楽しいこと8割、辛いこと2割ぐらいでしょうと思われるかもしれませんが、自分の感想は、全くその逆です。
辛いこと8割、楽しいこと2割でしたね。
ノー天気で番組を作っている人はそうじゃないかもしれませんが、毎日神経がすりへることばかりというのが私の感想でした。
そりゃ、自分の好きなことばかりやれるなら、確かに楽しいかもしれませんが、やりたくもないこと、貧乏くじみたいな仕事も多かったです。
何しろ、基本的に新米、若造、ぺえぺえです。
先輩は楽でかっこいいことをやり、私は辛くて地味な仕事をやらないといけないこともあります。
しかも、若い時は、ほとんどが新しい仕事、初めてやる仕事です。
例えば、セルジオメンデスのライブを生中継する時に、舞台のフロアディレクターをやれと言われ、2ベルを早く出せ!だの、幕を早く上げさせろ!だの、そんなの若造の私に何ができるのだと思いながら、どなられつつメンバーとかブタカンに頭を下げていたことを思い出します。
よく言いますが、放送の世界はある意味理不尽の世界です。
その理不尽に体が耐えていかれるようになった時、初めて番組を作るスタンスができるような気がするのです。
理不尽に耐えると簡単に言いましたが、実際はなかなか大変ですよ。
でも、社員なら、まだ我慢もできるでしょう。
遅くまで仕事をすれば、残業手当てもそこそこつきますし、あんまり腹が立ったら、先輩であろうと上司であろうと、「いい加減にせえ!」とどなりつければいいのです。
それで、後から別の上司に注意されようと、クビになることなどまずありません。
これが制作会社やフリーだったら、そんなことはとてもできないでしょうねえ。
ただ耐えるだけでは、多分いい番組はできない、全体をしきれるディレクターにはなれない、今の私は本当にそう思います。
だから、ディレクターは社員がやるべきだ、それの方が可能性のある人材を育成しやすいと思っております。
なのに、最近の局には、社員ディレクターがますます減っているとか。
何故なんでしょうかね。
この話は、また明日に続きます。