フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

制作費カットがもたらすもの

最近で驚いた業界ニュースは、日テレとテレビ東京が上半期赤字を出したということです。
年間40億、スポット売り上げ減などと書いてあるのを見ると、これは尋常ではないなと思ってしまいます。
テレビ広告から急速に広告費が逃げている、テレビ広告の費用対効果がそれだけ落ちているということなのでしょう。
フジテレビは黒字を保ったということですが、上半期に制作費を60億カットした結果だと書かれるとしばし唖然としてしまいます。
60億カットって、一体どこをどうカットすれば60億になるのでしょうか。
というか、今まで純粋に制作費をどれぐらい使っていたのでしょう。
制作費をカットしたら、次に何が起こるかを考えてみました。
私は、人が育ちにくくなるのではと、まず思います。
放送局が社員だけで番組を作らなくなったのは、単純に言うと人件費のカットを狙ったものでした。
社員に番組を作らせると、余分な時間を使う。
そのために、残業量も増えるし、そのための費用も増える。
社員を使わなければ、制作会社やフリーのディレクターに1本いくらで発注できて制作費を固定化できる→ついでに、制作費もカットしやすくなる・・・。
つまりプロセスに金を払わず、結果に対してのみ金を払うということになるわけです。
そうすると、どんな影響が出るか。
私は、仕事に遊びがなくなり、面白い番組を試作したり、試行錯誤する時間を奪い、結果として画一化した番組の量産につながると考えます。
早い話、作り手に余裕がなくなるのです。
これを業界的には「やっつけ仕事」といいます。
いや、それでもいい、とにかく番組の形をしていればOK、なんて管理者もおられるようです。
もはや、そういう方は「やっつけ仕事」かどうかを判断する能力も持ち合わせておられないのかもしれません。
私は幸いなことに社員として番組制作に携わり、途中人事異動で営業などに飛ばされましたが、それも輝かしいキャリアだと考えることによって、今の自分が存在しているのだと思っております。
とにかく、仕事はハードでしたが、何と言っても社員としての身分が保証されているということは、大きなアドバンテージだったと思います。
スタジオは使い放題、音楽は聞き放題、一線で活躍されている方にも、放送局の社員ということで会ってもらえたり、話を聞かせてもらえたりします。
悪いですけど、制作会社の社員の方、フリーのディレクターの方には、こんな恵まれた環境はありません。
才能を磨くには、放送局の社員になるのが一番合理的、私の一つの結論とお考え下さい。