フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

二兎を追うもの・・

前にもとりあげたと思いますが、私は番組的ノリとして、HTB制作の「水曜どうでしょう」を心から評価しています。
面白いとか構成がよくできているとかもありますが、私はあの場面からにじみ出る愛というか仲間意識というのがとても好きなのです。
みんなで楽しければいいじゃないか、自分達が心から楽しんでいるから、視聴者も力を抜いて面白がってもらえるんじゃないか、そんなメッセージすら聞こえてくるのです。
前にプロデューサー的立場の鈴井貴之氏のことを取り上げたと思いますが、この番組ではもう一人、とんでもない才能をもった演出家がいます。
それがディレクターの藤村氏なのですが、あるところで彼はこんなことを言っていました。
「100万人を喜ばせることはできないが、1人を喜ばせることはできる。1人を喜ばせることによって結果的に100万人になればいい。いきなり100万人を喜ばせようと思ってモノを作り始めると何もできない」
その通りなんだと思います。
卑近な表現でいうと、「二兎を追うものは一兎をも得ず」なのです。
一兎をつかむことが、二兎をつかむことにつながり三兎をつかむことになるのです。
ラジオ番組もそうなのです。
数打ちゃあたるとか、みんながそうしているから私もそうしようでは、一兎をも得られないかもしれないのです。
でも、藤村氏のこの考え方、頭の中で考えたわけでは決してないはずです。
それは、彼の経験の中から会得した貴重な財産なのだと思います。
頭でわかってもだめ、頭だけでは肝心な時に忘れてしまうものです。
コミュニティFMが面白くないとするなら、多分作り手が漠然とリスナーを追うからではないかと私は思います。
理屈を言う前に、まず貴方の目の前の人を喜ばせましょう。
一人の人を喜ばすことができなければ、それ以上の人を喜ばすことなど到底できないと考えるべきでしょう。
二兎を追うもの、一兎をも得ず。
朝三暮四ですら、人は頭で理解していても、為政者に簡単に騙されてしまいます。
また、詐欺として有名な方法論(振りこめ詐欺等)なのに、何故か騙されてしまうのが人間でもあります。
古人の教訓を疎かにしてはいけない、私も日々三省しながら身を処していきたいと願っている次第です。