フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMを売ろう!・本編13

さて、今まで一律にコミュニティFMを売る話を書いてきましたが、少し個別の問題を書いてみようかと思います。
コミュニティFMで一番多かったのが、自治体をバックにした経営の局でした。
いわゆる第三セクターの局です。
たいていは何らかの形で、自治体から宣伝費名目の補助金が出ています。
この場合、番組自体が面白いとか聴取人口が多いとかはそれほど重視されません。
ある仕様にのっとって放送していれば、毎月自治体から金が振り込まれます。
例えば、その額が年間2000万円入れば、経営責任者はだいぶ楽になります。
演奏所や送信所がすべて自治体のものを無料で借用できれば、更に経営はやりやすくなります。
で、局の責任者に余裕ができれば、それほどガツガツしなくなりますから、自分の局の力量も十分認識できますし、どういうところがスポットや番組提供をしてくれるかという判断が的確になったりするものです。
つまり、自治体からのベーシックな補助によって上方スパイラルが生まれるといいましょうか。
一度、いい方へ局の経営が向えば、後はよほどのことがない限り緩やかに上に上昇するというのが普通でしょう。
それゆえ、ベーシックな部分が保証されている局は比較的順調にコミュニティFMを経営できるようになるのです。
もちろん、それほど大きな売上は期待できませんし、満足に人件費を払えるところまではなかなか行きません。
特に今日のように、不安定な市場が続いていると、少し売上が上がったからといって、新規の投資に手を出すなどということは考えにくいと思われます。
今のままで、とにかく行ける所まで行こう、多分そういう発想のコミュニティFMは多いことでしょうね。
さて、そう言った補助金がある程度出ているコミュニティFMをどう売るかですが、これはある意味X(聴取人口)を増やすことに力を入れることはできなくもないですね。
地元の広域局と対抗することもできるでしょうし、むしろ、この地域だけでは〇〇局よりもうちの方が聞かれていると宣伝すれば、そこそこ訴求力も生まれるでしょう。
つまり、この場合は相手局のブランドを利用しているのです。
ブランド力を持つ広域局よりも、この地域では聴取者が多いと宣伝すれば、その日からコミュニティFMの方も地域ではブランドになるというわけです。
相手のブランドを利用して自分をブランド化する、自覚してそういう戦略をとったのかどうかは知りませんが、弱者の一つの知恵であることは確かだと私は思いますね。