フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMを売ろう!・本編12

「テレビやラジオでおなじみの〇〇」という手書きのポスターを商店街などで見かけることがあります。
人気番組で取り上げられたりすると、そのポスターの価値は更にあがります。
そうか、テレビやラジオでおなじみなのかと思うと、騙されたと思って一度は覗いてみようという気になりませんか。
同じことはコミュニティFMにも言える場合がありそうです。
「××FMでスポット放送中!」と書くと、××FMの名前をあまり聞いたことがなくても、スポット放送中という言葉に少し興味を持ったりするのではないでしょうか。
××FMが地域でそこそこ有名なら、その注目度は更に上がるでしょう。
スポットを放送したからどうこうというわけではないと思います。
相当本数のラジオスポットを集中投下しても、リーチする層は限定的でしょう。
それよりも、数本のスポットをラジオで流し、「××FMでスポット放送中!」とポスターに書いて張り出したほうが、訴求力は上がるのではないでしょうか。
つまり、ここでは××FMという名は、明確にブランドという認識。
そのブランド力を持った局にスポットを放送しているというのがステータスとなり、ユーザーがその店に信頼感を持つという構造なのだと思います。
放送局というのは、少なくとも他のメディアよりブランド化しやすい存在ではないでしょうか。
コミュニティFMの開局=ブランドの獲得というイメージを持たれる方もおられるはずです。
ただ、実際のところは、開局したらどの局もブランド化するわけではありません。
やはり、ブランド化するための努力、均質性、均等性の維持など越えるべきハードルは数多くあります。
適当に放送しているというのが、一番ブランド化から遠ざかります。
常に他局との差別化をはかりつつ、ワンアンドオンリーの局を目指していれば、レベルの差はあってもブランド化に近づくことは確かでしょう。
J-WAVEのブランドに頼るといっても、全番組をJ-WAVEにするわけには行きません。
どうすれば、J-WAVEを中に取り込みながら、均質化、均等化した編成を達成できるか、それこそコミュニティFMの局の方針が問われてくるでしょう。
JFNの例を先日出しましたが、確かに今のBラインで流れてくる放送を受けながらローカル放送を続けるというのがベターかもしれません。
Bラインは、やはり質的にTFMの放送と比べて落ちるのは事実です。
でも、それゆえに、その後をローカル制作でつないでも、そんなにバランスが崩れるわけではないのです。
要は、全体のバランス、そして全体の差別化です。
それが達成した時に、「××FMでスポット放送中」というお店が出てくれば、そこそこの訴求力も生まれるというものです。
何も××FMのスポットを実際に聞く必要はないのです。
「××FMでスポット放送中」というポスターをユーザーが目で確認すれば、宣伝効果はあるのです。
invisibleなメディアはvisibleを主体的に考えること、その法則がここにも生きていると私は思います。