フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

マルチメディア放送を考える・4

昨日書いた「ハイブリッドラジオでいいじゃない、アナログもデジタルも一緒にして流せば、少なくとも電波の有効利用にはなるじゃないかと思うのです。」という考え方は、既に何回か私の意見として述べてきました。
2007-11-26では「デジタルラジオ考・5」と題して、J-WAVEの提案をまとめていますので、興味のある方はご覧下さい。
さて、そういうわけで行政府はIBOC方式を否定しました。
新しい電波に参加したければ、今ある放送をそのまま流そうとするのは認めない、新しいビジネスへの投資として参加することを義務づけるということのようです。
モバHO!みたいな使い方は認めないということかもしれません。
つまり、今流しているアナログ放送を、そのままV-Low帯で流せば放送局としては新規投資はさほど要りません。(早い話、サイマル放送ですね)
既存のラジオ局としては、今までどおりで新しい電波帯を手に入れることができるわけです。
これで、アナログ波のチューナーが装備されない携帯電話でも、理論的には聞くことができるわけですが、行政府はそれではダメだ、マルチメディア放送としての位置付けの下、新しいビジネスを提案しろと言っているわけです。
ご存知のように、今のほとんどのラジオ局、新規投資するための体力が不足しています。
これ以上の投資をしたくても原資がありませんし、更に人員を増やすこともできません。
だからラジオ局が望むのは、新規参入者の方にマルチメディア放送の基盤を作ってもらって、それに安い費用で乗っかりたいということになるわけです。
賢い局は、電波利権の核を押さえようとするでしょう。
つまりインフラ系の運用権は完全にキープし、それを新規参入者に自分達の思惑の範囲内で割り当てるというスキームです。
早い話とLLCとTFMとの戦いは、どちらがインフラ系の運用権を押さえるかの戦いと言う風に考えることができるのです。
電波利権の争奪戦、ただしビジネスモデルはなし。
利権さえ押さえれば何とかなるという経験則、果たしてマルチメディア放送の世界でも通用するどうか。
部外者としての気楽な立場で、しばらく見守ろうと思っています。