フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

3セグの放棄

昨夜、番組の収録終了が8時。
それから打上げをやって、家に帰ったのが深夜2時でした。
とはいえ、宴の後の淋しさは身にこたえますね。
朝陽が昇れば、また日常が始まるのですが、その日常にはもう番組が作る世界はありません。
ぽっかり空間が空き、そこに何を埋めていいのか、しばらくはこの空しさに弄ばれるしかないのでしょう。
何しろ、自分の造っている番組が終了するという経験は15年ぶりなのですから。
老いたものの恋は辛いとはよく言ったものです。


さて、今日は、デジタルラジオ問題(TFM風に言うとマルチメディア問題)について、ちょっと書いてみようと思います。
朝日新聞に「ラジオも<地デジ>化 見えぬ具体像、業界に不協和音も」という記事が出ました。
http://www.asahi.com/digital/av/TKY200809080285.html
このまま読むと、ラジオもテレビと同じようにすべてデジタルに移行するような印象を持ちますね。
ちょっと見出しの作り方に問題があるような気がしますが。
それはよいとして、同記事には、前に書いたLLCとTFMの思惑の違いがとりあげられています。
少し引用しますと、


 デジタルラジオは、アナログテレビの1〜3チャンネルが使っていた周波数を13前後の帯域(セグメント)に分けて利用する。高音質や多チャンネルを実現するには1セグメントは必要で、音楽動画なども加えた新サービスを想定すると数セグメントがいる。高機能な内容になるほど参加できる局が限られるため、分け方を巡って業界内で不協和音が広がったのだ。

 「もともとラジオは他のことをしながら聴ける『アイズ・フリー』が原則。デジタルでも各社1セグメントを基本にし、あくまでも現在のラジオの延長線にある音声を中心に高機能化をはかりたい」。DRP運営委員長の近衛正通・ニッポン放送常務取締役は基本的な考えを示す。

 これに対してFM東京は、数セグメントを使い、音楽や映像などを有料課金で配信する新サービスに注目する。藤勝之デジタルラジオ事業本部長は「1セグメントではCD以下の音質でしかなく、そもそも音声だけではラジオの未来は暗い。新しい放送なのだから、帯域を柔軟に使って多彩なサービスを実現したい」とDRPの方針に不満を隠さない。

ニッポン放送の方の意見は、ほぼLLCの意向と考えていいでしょう。
ひとことでいうと、LLC側は、あくまでラジオ放送をやる、それは現行の放送にデータをのっけるぐらいの考えで、TFM側は、今のラジオ放送はほんの一部にして、大半を新しいビジネスモデルに基くマルチメディア放送にしようとしているようです。
ついでに、TFMは今のラジオの既得権を100%守ろうとするLLCには賛成できないという立場も明らかにされています。
もっと新しいソフト業者の参加を得よう、新事業者にマルチメディア的サービスをやってもらい、TFM(JFN)はそれをお手伝いするというスタンスのようです。
その事業者というのが、今のマルチメディア放送ビジネスフォーラムに参加されている会社を指しているのかもしれません。
正直、表面的には自信満々に見えるTFMに少し危なっかしさを感じる私なのですが。
朝日新聞の記事については、明日も少し考えてみようと思います。