フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

金のない奴を仲間に入れるな・番外

前にも書いた比喩だが、コミュニティFMは小劇場みたいなものだ。
小劇場は面白い。
どれだけ辛くとも、お金を持ち出しても、小劇場は続けたい。
歌舞伎のように、タニマチがいるわけでもない小劇場。
自分の力で金をかせぎ、それを小劇場につぎ込む。
かくて、劇場文化は育つ。
その文化は、とても貴重な私たちの財産でもある。
コミュニティFMは、これぐらいの気概を持ってやれば、やがて文化として華が咲くかもしれない。
利益ばかり優先しては、コミュニティFM文化は育たない。


小劇場が面白いように、コミュニティFMも又面白いということかもしれない。
夢だけじゃ飯は食えないと揶揄する人もいるが、放送現場の一人一人の努力は貴重である。
儲けることだけが、コミュニティFMの目的ではない。
そういうことなのだろう、多分、きっと。


以上は、2005-09-13のこの欄で書いたことです。
何か、このシリーズで書いたことと随分矛盾しているじゃないかと言われれば返す言葉もありません。
ただ、どこかで書いたと思いますが、演劇人というのはどれだけ有名な方でも基本的に上に書いた小劇場関係者と同じ発想をします。
確実に1万人以上の客を集められる私の知っている演劇人は、舞台に出るたびにチケットを一生懸命売ります
「こんど、この舞台に出るんです。またチケット買ってくださいね。いい席キープしますから。」と依頼して回るのを何度も見ています。
そんな有名人なら、ほっとけば周りが売ってくれるだろうと思われるかもしれませんが、本当の演劇人は自分のご贔屓は自分でチケットをお願いするのが当り前だと思っています。
自分の舞台は、自分一人で作るわけではない。
みんなの努力があって、主役の自分が生かされるのだ、演劇という舞台があってこそ、自分も又生かされるのだ。
だから、自分は出るだけでいい、チケットを売るなんて鬱陶しいことはしたくないなんて言うのは演劇人ではない証拠だと考えておられるのかもしれません。
私がお願いすれば、1000人の方が喜んでお金をだしてくださる。
私の手から買うことに意味があると思ってくださる。
それを厭うようでは、演劇を本当に愛しているとはいえない。


コミュニティFMも、そういうタレントが次々に出てくるよう、いわゆるコミュニティFM文化を創造していくことが肝要ではないでしょうか。
あなたのために喜んでお金を出してくれる人をどれだけ持てるか。
そのための地道な作業がコミュニティFMという新しいメディア文化を育むのではないかと思うのです。
金を持てるものは金を、才能をもてるものは才能を、何もないものは自分の労働を差し出す。
文化というものは、そういう過程を経て醸成していくものと私は信じています。

「金のない奴を仲間に入れるな」、10回以上にわたって、とりとめもなく書いてまいりました。
皆さんからのコメント、メールなど本当にありがとうございます。
議論は尽きないと思いますが、とりあえず、この言葉をもって本シリーズを終らせていただくことにします。
また明日。