フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

金のない奴を仲間に入れるな・1

さて、「金のない奴を仲間に入れるな」という話です。
あんまり生真面目に読まないで下さい、不快になるかもしれませんので。


JFN系「NISSAN あ、安部礼司〜BEYOND THE AVERAGE」のことを先日、イノベーターと関連してとりあげました。
同番組は業界人の評判もよく、本になったりCDになったり、いわゆるマルチコンテンツ化されたりして、ますます充実しているようです。
この番組、ご存知の方も多いでしょうが、企画したのは大手代理店です。
クライアントはこちらも大手自動車メーカー。
本来なら、ラジオを広告媒体の核としようとは考えない業界だと思いますが、スタッフにラジオはまだまだ可能性のあるメディアであるという認識を持つ、優秀な人材がいたのでしょう。
この場合の放送局側は、受身的立場だったと思います。
大手代理店、大手自動車メーカー、ラジオ局にとっては多額の予算が付随していたことでしょう。
誤解を恐れずにいえば、この番組がスタートできたのは、一も二もなく金があったからだというのが私の見解です。
放送局側のスタッフだけでは、ああいう番組を企画しても、相手にされるのは難しいでしょう。
面白いアイデアをいくら企画書にできたとしても、金の保証がなければゴミ扱い、それがラジオ業界なのだとあえて言っておきます。
そりゃ、何かの拍子に企画が通ることもあるかもしれません。
ただし、よほどの僥倖に恵まれない限り長続きはしません。
面白い番組だからといってスポンサーはつかないのがラジオです。
私の知っているだけでも、本当に面白い番組はたくさんありました。
しかし、そういうイノベーターが領導する番組は、リスナーが支持したとしても大人の都合で簡単に終了させられてしまうのです。
テレビは、毎日視聴率が出ます。
だから、視聴者の数の把握は容易ですし、面白い番組には広告(スポット)がつきます。
ラジオには、面白い番組も面白くない番組も、誰にでもわかるような尺度はありません。
力のある人が面白いといった番組は継続し、リスナーが支持した番組は何の理由もなく終ったりしてしまいます。
作り手側は、自分の作っている番組が面白いかどうか、よくわかっています。
でも、それを局の偉いさんや、広告代理店、スポンサーにわかってもらえる手段を持ちません。
局もそんなことはどうでもいいのです。
金になればいい、金になった番組が面白ければなおいい、ぐらいの認識です。
放送局は金しか見ていない、そう言ってもみても、今やそれほど間違ってはいないと思います。
ということで、この話はしばらく続きます。