フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者とラジオ・13

2008-08-02のこの欄で引用した次のフレーズは今も示唆的である。
「一つだけ関係者の方に忘れてほしくないのは、ラジオが直面している現在の問題は、ラジオ自身の問題というよりも社会的な構造に起因していると考えられ、直接的に問題に対処したとしても、解決は非常に難しいだろう、という点です。」(岡本一郎著「グーグルに勝つ広告モデル〜マスメディアは必要か」光文社新書
個々のラジオ局がどんな方策をとろうとも、根本的な構造が変わらない限り弥縫策にしかならない。
若者の生活習慣(ライフスタイル)をドラスティックに変えるムーブメントをラジオが提起できない限り、若者がラジオに回帰することはないのではないか。
かってのラジオは投網で若者を一挙につかまえることができた。
それだけ、若者はラジオの発する刺激(音、情報、あるいは臭い)に引き寄せられていたのだ。
今、無条件に若者を誘引できる「集魚灯」のようなものが何かあるか?


一昨年発刊された「ラジオは脳にきく」(板倉徹著 東洋経済新報社)という本がある。
副題に「頭脳を鍛える生活習慣術」とあり、ラジオを聞くという習慣さえ身につければ脳が鍛えられるというのである。
脳機能低下、うつ病認知症(ボケ)に効くとまで書かれると、何だか誇大広告のような気がしないでもないが、「ラジオを聞く=脳が鍛えられる」というイメージは喧伝してもよさそうである。
「受験勉強にラジオは最適」と言い換えられるし、「私はラジオを聞いて東大に合格した」なんて言いいはじめると、親御さんが競って子供にラジオを推奨し、小学生の頃から無理やりラジオを聞かせるかもしれない。
ラジオを子供のうちにインストールできるなら、手段を問わない、インストールしたもの勝ち。
IT世界での用語を使えば、何となく市場を形成できそうな雰囲気も出てきそうだ。
ラジオを聞く習慣を持つ若者と、持たない若者の間にどれだけ成績に有意差ができるか、RABJはこういう調査をやってみたらどうなのだろう。
本当にラジオが脳に効くのなら、何かラジオにとってメリットのある結果が出るはずである。
出ないとしたら、ラジオは脳なんかに効かないわけだし、著者の板倉さんには責任をとってもらわないといけない。
さて、この本、TBSラジオが一時期特集していたので、興味のある方は次のサイトを参照してもらいたい。
http://www.tbs.co.jp/radio/brain/vol1.html
2006-10-21の私のブログでも、この本に触れているので、そちらも参考に。


さて、明日はちょっとしたボランティア活動に時間をさくことになったので、この欄の書き込みを休みます。また月曜日に。