フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者とラジオ・6

ラジオの売り方を開発したのは、広告代理店である。
これは何度かこの欄で提起したことだ。
ラジオにはマーケティング能力が、皆さんが思われる以上にないというのが私の経験も含めた感想だ。
商売の基本を広告代理店が作り、そのライン上で営業活動してきたのが放送局だったといえる。
で、若者をターゲットにしたラジオなのだが、これも元々は代理店の政策に沿ったものだったのではないだろうか。
広告代理店は、クライアントの商品を売るために広告を企画し、それをどの媒体で打つかを提案するのが仕事。
若者ターゲットの商品なら、とにかく若者が接触する媒体をチョイスし、それを使ってリーチすることを考える。
その時の媒体が、ラジオ、とりわけ深夜放送だったといえる。
私の記憶では、11時〜2時ぐらいまでスポット枠はほとんど埋まっていた。
受験関係のクライアント(予備校とか専門学校)、受験に効果のある医薬品(オールPとか)、レコード会社の発売告知、ライブの告知スポット、雑誌やレジャー関係のスポットもあった。
若者を狙うならラジオ、だったのである。
ラジオ局がそういう編成をとったのではない。
広告代理店の要請を受けていたら、知らぬ間にそうなったのである。
そして、ラジオの衰退が始まった。
もはや、若者にとってラジオは必須ではない。
となると、代理店は若者ターゲットのクライアントにラジオを勧めなくなる。
ラジオ局が代理店に何とか売ってくれと言っても、ターゲットと今のラジオはマッチしないと言われると黙るしかなくなる。
代理店に頼っていた経営方針を変えないといけない。
いや、放送局の経営陣がどれだけ代理店におんぶにだっこだったかを自覚しているかも疑問だが。
営業の現場に、もっと番組を売ってこい、スポットを売ってこいと発破をかけても、それを説得する材料があまりにもない。
クライアントは言うだろう。
若者がどれだけラジオを聴いているか、ちゃんとした統計資料を持ってきてくれと。
そんな資料、どこにある?
この話の続きはまた明日。