フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者とラジオ・5

「下の世代に広げないと未来はない」という意識、ラジオ局が若者をターゲットにする理由は多分これだろう。
上の世代に支持されているだけでは、放送局の未来は保証されない。
やはり、子供の頃からラジオに触れさせ、ラジオにまつわる原体験を持って大人になってほしい、ラジオライフを若者にインストールすること、それなくしてはラジオは衰退するばかりだ、と。
確かに統計資料を見ても、若者層がラジオ聴取から離れているのは明らかである。
NHK放送文化研究所の「2005年 国民生活時間調査報告書」にはこうある。


■男女年層別にみると、ラジオをよく聴いているのは女50代と男女60代以上で、特に60代は行為者率・時間量ともに多い。職業別では、農林漁業者・自営業者と無職によく聴かれており、特に平日の農林漁業者と自営業者の聴取時間が長い(図表8)。
■ ラジオを聴く人の割合は、この10年間でやや減少傾向にあり、男女とも50代以下の各層で減少した。図表9のように、10年前の時点では、ラジオを聴いている人が最も多いのは50代だったが、10年後の現在はピークが60代にスライドしており、聴取層の高齢化が進んでいる。
■ さらに、ラジオを聴く人の割合の変化を長期的にみると(図表10)、年層によって変化の様相は大きく異なっている。20代以下の若年層では、1975〜80年をピークに大幅に減少しており、この25年間でラジオを聴く習慣が失われているといえる。対照的に、60代以上の高年層ではラジオを聴く人が緩やかに増加しており、この結果、ラジオの主な聴取層は1990年代以降、若年層から高年層へ転換した。
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/life/life_20060210.pdf
上記の13ページ参照。


ちなみに、平日の10代男性の行為者率は95年が9%だったのが、05年には4%。
10代女性だと、95年が12%だったのが、05年は6%である。
全体は、17%→15%にもかかわらずである。
とにかくラジオ局がやるべきことは、如何にラジオを若者層にアピールすることなのに、それよりもてっとりばやく金になる中年層以上にシフトしている面も否定できないのだ。
若者は金にならない、だったら高齢者を狙うしか手はなかろう、なにしろ、彼らは若い頃からラジオの楽しさを知り尽くしているのだから。
つまりは、ラジオがインストールされた世代に頼るしかないということかもしれない。
若者にどうやってラジオをインストールするか、そのソリューションを持たないのが今のラジオ業界の問題点ではないだろうか。
さて、そのソリューションって、一体何?