フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

若者とラジオ

私たちの世代は確かにラジオをよく聞いた。
何故聞いたかというと、親が聞いていたからだ。
夜なべをする母はいつもラジオを聞いていた。
謡曲が流れ、横にいる私も自然と歌詞を覚えていた。
その歌が今流れると、その時の情景がよみがえって来るのはいつものことだ。
ラジオは、ノスタルジアでもある、多分、私たちの世代にとっては。
そのラジオがある時、イギリスの不良の音楽を流しはじめた。
それは、今までまるで聞いたことがないサウンドだった。
こんな音楽があるんだ、こんなことが許されるんだ。
ビートルズを聞くものは不良、そんな風潮が生まれつつあったが、私は気にもせずラジオを聞き、ビートルズに浸った。
ラジオは私に文化を運んできた。
サブカルチャーと言うべきか、ラジオはそれを若者たちに運び、相互の交流を強めたと思う。
いわゆる団塊の世代がラジオの中にサブカルチャーを形成していったのだろう。
時代の風潮のど真ん中には、いつも団塊の世代がいると言う人がいる。
老人問題がマスコミを騒がせるのも、団塊の世代が老人になりつつあるゆえだなどと主張している。
団塊の世代は、相変わらずラジオを聞く。
それが「ラジオ深夜便」を人気番組にし、NHK第一放送を50歳代以上で聴取率1位にしたりする。
若者はラジオを聞かないと言われている。
オルタナティブが他にいくらでもあるというのが原因なのだと。
多分、今の若者にラジオは文化を運びきれていないのだろうと私は思う。
若者の文化といえば、今はアニメでテレビゲームでインターネットか。
アニメの声優関連でラジオを聞く若者がいる。
これは確かにそのとおりで、私などは声優をほとんど知らないが、大人の知らないところで人気を得ていることはよくわかる。
とはいえ、30代や40代のオタクも中に混じっているので、若者と言っていいかどうかはよくわからない。
今のラジオは若者のニーズに正面から向かっているとはいえないような気がする。
多分、若者はこうだろうから、こんな話題でいいだろうと制作者側は考えていそうである。
でも、違うんだろうな、それは昔の若者のニーズで、いまどきそんな話題で喜ぶような若者は仲間の中で疎外されているだろう。
ラジオは、若者のイノベーターをキャッチできていない。
明日は、その話を。