フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ある番組

ある番組がある。
出演者はクライアント。
いわゆる自己顕示欲の強い方が、自分の立場を利用して放送に出ているとでもいうか。
自分は、そこそこ喋りもうまいし、話の中味もあると思っている。
まわりの人も、何だかんだとその人を評価する。
この前の話は面白かった、いやあ、ここまで物事にズバっと切り込めるのはあなただけだ。
そして、取り巻きの人々は、頭を下げる。
本人の才能に頭を下げているのではない。
その人の向こうに見える札束に頭を下げているのである。
私は、関係者にふと指摘してみた。
話が冗長だから、もう少し編集するとか、あるいは完璧に台本を作って、その中で話をさせる方がいい。
それぐらいの制作費はあるだろう。
関係者は、とんでもないとでも言う風に首を振った。
勝手に編集なんかできないし、台本なんか用意しても、それを読む能力なんかありゃしない。
今のように自由にしゃべらせておけばいいんだよ、と。
リスナーがどう思うとかまわないの?と私。
放送局が求めているのは、今はまず金だから。
金の問題が片付いてからだね、リスナーのことを考えるのは。


ラジオショッピングもテレビショッピングも、放送局にとっては金づる。
とりあえず、時間が金に換わればそれでいい。
多くのユーザーが、鬱陶しがっても目をつぶるしかないのだろう。
こういう構造、昔からあったことだが、最近はますます顕著になりつつある。
リスナーは、どんどん後回しになる。
リスナーに頭を下げても金にならない、その向こうに札束なんか見えないと業界人は言うのかもしれない。
考えさせられることだ。