フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ボランティアの議論

皆さんのボランティアの議論、いつも参考にさせていただいています。
今後とも皆さんの現場の情報など、コメントしていただければと思っています。
よろしくお願いします。


さて、ボランティアに関しては、私は2005-01-04から2005-01-18まで、7回に渡って「ボランティア」というタイトルでとりあげております。
私の考えは、ほぼこの7回で紹介できていると思いますので、まだ読まれておられない方は、ぜひチェックしてみてください。
それとは別に、2007-05-20の当欄で「アマとプロ・2」というタイトルでこういう主張をしています。


少し話がずれるかもしれませんが、私も放送現場で新人のAD君やタレントさんと付きあってきた一人です。
彼らは最初は素人ですし、状況への対処には時間がかかるしチグハグでした。
放送事故は起こすし、連絡は手抜かりだし、基本的なチェックを怠ったりして悩まされたものです。
その時は、少々強い言い方で怒ったりもしますが、それはすべて早く彼らに独り立ちをしてほしいと思うからです。
自分で考え、自分で状況に敏捷に対処する、そのための基本をできるだけ身体に覚えこませたいと思うからです。
早い話、自分に代われる人材を用意して、いつでも交代できるようにしておく、それが放送現場の先輩の義務のはずです。
コミュニティFMにそのシステムがどれだけあるのでしょうか。
マチュアばかりになってしまえば、技術の継承は難しくなります。
ボランティアにはそんな義務は存在しません。
コミュニティFMがビジネスとして成立するためには、こういった技術の継承システムがなければどこかで行き詰まるだろうと私は思います。
コミュニティFMの設立趣意書に「番組はボランティアの力を借りて制作すればいい」というニュアンスの表現を見かけるたびに、一体この人たちは放送局を何だと思っているのだろうと悲しくなります。
ボランティアの方に番組を作っていただくのは悪いことではありません。
ただ、それは門戸を開放するという意味であって、ボランティアの力に頼るという意味ではありません。
ダメならば、ボランティアなしでも制作できる体制を持っていないとコミュニティFMに未来などありません。
ボランティアが作った番組がすべてダメなわけではない、要はそれは一つのオプションに過ぎないという認識が重要なのです。
事業を継続できる放送局とういのは、多分こういった体制を持った局なのだと思います。
事業の拡大再生産が図れなければ、企業に未来はありません。
人件費をカットする手段は、ボランティアの採用ということでは事業体として行き詰るでしょう。
ボランティアをメインにするなら、ビジネスはあきらめることです。
善意のサークルでも、地域のクラブ活動でもご自由におやりくださいとしか私には言えないというのが本音かもしれません。