フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

制作費

当たり前のことだと思うが、ラジオの制作には何らかの専門性が必要だ。
番組は言うまでもなく商品である。
その商品を作るのが、素人とさほど変わらないスキルの制作マンではその完成度は推して知るべしだろう。
面白い番組を作るものには、高度の専門性がある。
センス、知識、人を動かすノーハウ、持ち合わせていないといけない要素はいくらでも上げられる。
それらに、日頃の研鑽が加わって、リスナーをひきつける商品=番組を作ることができるのだ。
素人にはなかなかわからないプロの凄さ、人気番組を作るものにはそれがあると私は思う。
そんな専門性を持った制作マンには、どれだけの報酬が払われるべきだろうか。
多分、絶対額などないだろう。
その人の商品価値は、その時の相場で決まる。
平成のバブル期には、ラジオのディレクターでも年収1000万円クラスはざらにいた。
1時間番組を制作するだけで、月20〜30万。
それを4本ほど担当すれば年収1000万に軽くなる。
今では、残念ながら、よほどの力のあるディレクターでない限り、その半分ももらえない。
あのころのラジオは良かったなどとも言えるが、所詮はディレクターのギャラなど時価なのである。
昨日、私は朝のベルト番組で1ヶ月10万の提示を受けて、冗談でしょと言って断ったと書いた。
最低でも50万円もらわないと、やる気になれないのが本音だ。
本当は100万円は欲しい、ただし、それぐらいの金、私が営業して稼いできてあげると豪語するかもしれない。(見栄を張っているだけと言われかねないが。)
しかし、それぐらいの価値のある番組しか、正直今の私は作りたくない。
安い金で仕事をしていると、自分がどんどん安っぽくなる。
中身が形を作るのではない、形が中身を作るのだ。
30年以上、制作する現場にいて実感していることである。
やはり、多くの人に番組を聞いてもらおうと思えば、その人数に比例するぐらいの制作費が必要ではないだろうか。
ボランティアが作った番組を商売に使えるなんて、私は全く思えない。
マチュアはたまに100点の番組を作るかもしれないが、30点以下の番組も作りかねない。
プロは、常に70点以上の番組をコンスタントに作る。
あなたなら、どちらを選ぶ?
たまに見事な家を建てるが、すぐに傾く家も建てる大工と、見事ではないが安定した家をたてる大工、あなたはどちらに自分の家を建ててもらいたい?
コミュニティFMが商売になるかならないか、根本的に考えれば誰でもわかることではないか。
プロを育てろ、そしてそのプロに拡大再生産できるだけの報酬を渡せ。
きつい言い方かもしれないが、基本はそれだと私は信じている。