フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMはどうなる・7

さて、色々書いてきましたが、ラジオというのは元々1%とか2%とかのリスナーを対象としたメディアです。
それでも母集団が1000万人だったら、10万人とか20万人のリスナーがいるということになりますから、そこそこの広告媒体ということができるでしょう。
しかし、これがコミュニティFMレベルになるとどうか?
例えば世田谷区のコミュニティFMですが、ここは区の人口だけでも70万人程度おられますし、隣接する地域でも聞こえますから、母集団は100万人ということになります。
1〜2%は、1〜2万人。
まあまあそれだけの数字をとれれば、媒体価値はあると考えられるでしょう。
しかし、これが人口10万人以下を対象としていたらどうか。
リスナーは1000人程度ということになります。
媒体価値としては、さてどうでしょうか。
この1000人が、すべてF1層だったとしたら、十分意味があります。
1000人の購買力が一番ある層をF1とするなら、いろんな層が混合して10000人いる局より、F1層を1000人持っている局の方が広告精度が上がるだけ媒体価値は高くなるといえるでしょう。
とにかく購買力を持った層をリスナーとしている局は、たとえコミュニティFMでも強いのです。
リスナーは医者、セレブ、公務員、一流会社のサラリーマン、OL、裕福なオタク、金持ちの家の娘、等々。
リスナーが1000人いますというより、うちのリスナーはみんな女子高校生ばかりですと言ったほうが業界的インパクトは強い、それはおわかりいただけるでしょう。
コミュニティFMは、あまりターゲットを絞られません。
多くの地域住民に向けた放送をする、それがコミュニティFMの使命だと考えればその選択は理解できます。
しかし、たとえコミュニティFMであったとしても、まず利益を出さなければ維持できないとするなら、あいまいなターゲティングではビジネスにならないかもしれません。
2006-5-02で、グァム島のラジオ局の話をしました。
人口16万人の島に、16の放送局があります。
それで何とか事業を継続されています。
放送を聴いていると、どの局もターゲットははっきりしています。
いや、それを明確に打ち出さない限り、ビジネスとしては成り立たない、それはラジオ局としては常識だということかもしれません。
そんな常識、はたして日本のコミュニティFMにあるのでしょうか。
インターネットラジオもしかり。
ターゲットを絞り、確実にそこにリーチするという戦略を持たない限り、少なくとも広告媒体としては認知されないでしょう。
ここには、私のニーズに対応するものはない、とこのシリーズのはじめに書きました。
サイマルラジオにしても、だれのニーズに対応しようとしているのか、ターゲットはどこなのか、それをはっきり示すことが必要なのではないかと思う次第です。
クライアントが少しでもこちらを向いてくれるような放送のためには、多分、何らかのターゲット戦略が必要なのだと私はそう考えているのですが。