フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

コミュニティFMはどうなる・4

さて、サイマルラジオのニーズを考える中で、私が提起したのが「情報への飢え」というキーワードでした。
わざわざ聞きたくなるラジオ、それもインターネットを介してですから、相当の飢えがなければネットラジオには行きつかないのではないかと思うわけです。
「グーグルに勝つ広告モデル〜マスメディアは必要か」(岡本一郎著 光文社新書)にこんな表現があります。


AMラジオは非常に受動性の高いメディアで、能動的なアクションは「電源スイッチを入れる」というのと「局の選択をする」の二つしかありません。(中略)
ところがインターネットというのは、今のところ非常に高い能動性を求めるメディアです。クリックしたりスクロールしたりしないと、コンテンツがとにかく前に進まない。最近ではインターネットラジオというサービスも出てきましたが、これも立ち上げ時にはかなり手を動かすことが必要になってきます。
著者の岡本さんは、メディアコンサルタントをされていて、この本は色々示唆に富むのですが、この中でも私が前に指摘したようにインターネットはラジオよりもハードルが高いことを指摘されています。
そして結論として、
「提供情報という側面からだけ見れば、確かに代替は可能かもしれませんが、情報の消費シチュエーションやアクセススタイルを考慮に入れると、AMラジオというのは非常にユニークなメディアで、代替性は思ったほど高くないのではとないか、ということなのです」と締めておられます。
AMラジオと言っておられますが、FMも基本的に違いはないでしょう。
インターネットラジオというのは、それゆえ次のように結論づけられます。
本来はラジオを聞くのだが、それが何かの事情で聞けない時、どうしても聞きたい(聞いておきたい)と望む方には効果的なメディアだということです。
その代り、その時のアクセス・ストレスは不可避ですが。
ラジオというものとは全くインディペンデントなメディアとしてインターネットラジオを考えられるなら、また別のアプローチはあるでしょうが、今のところ厄介な「ラジオの替わり」という位置付けは変わらないでしょう。
ラジオというのは、私たちが思う以上に便利なものかもしれない、そんな気がするのですが、皆さんのご意見はどうですか?