フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

おいしいラジオ・5

ラジオ関係者と話していて、それは都合よすぎるんじゃない、と思うことがある。
例えば、あるイベントが企画されていて、ラジオ局の参加をお願いするとする。
そうすると、ラジオ関係者の言う言葉の多くが「それで、いくらもらえますか?」だったりする。
参加すれば、即、金がもらえるという発想である。
ラジオはあくまで受身、待っていて対応すればお金がもらえるというのだろう。
クラブのホステスじゃあるまいし。
この発想で利益が出るなら、そりゃおいしいに決まっている。
先ほどの話に戻って、「いえ、参加したからお金になるというわけではありません。そこで何をしてもらえるのか企画を出してください。」と言うと、「え〜企画ですか〜、一応編成に言ってみますけど〜」と答えながら困った顔をする。
言われたとおりにするから、金を下さい〜というのが本音なのだろう。
現場から企画を待っていたら、多分いつまでたっても何も出てこないのを知っているからかもしれない。
普通、商売をしようと思えば、自分で商品を用意しないといけない。
今、市場にはどんな需要があって、こういう商品がこれぐらいの値段で取引されている。
その需要にあわせて商品を開発するもよし、他から調達するもよし、とにかく放送局もそういう商売の原則にのっとり、自分で商品をプレゼンしないといけない。
放送局は原材料を生み出す鉱山ではないはずなのだが、プレゼンしてくるのは電波とブランドだけ。
それを加工すると、どんな商品になるかの説明もない。
にもかかわらず、放送局は、この原材料(電波)は時間いくらだ等と言うだけ。
その値段だって、何を根拠につけている?
定価だ、実勢料金だ、この期間だったら大安売りでこれだけでいい、などとも言う。
今や、定価も実勢もへったくれもないほど、値崩れは激しい。
表向けには、そんなことは一言もいわないが、中でやっていることは価格の大混乱。
ほしいのは売上げ、一つ一つの価格はどうでもいい。
それでも、この業界にあまり慣れないクライアントさんは、そういう価格の大混乱はご存知ないから、そんなものかと定価に近い値段でお買いになる方もいる。
確かに、それがラジオでも大人気番組などは、まだまだ定価商売も成り立つから一概には言えないのも事実だが。
とにかく、元放送局マンの私としては、参加したら金がもらえるという発想は、もうそろそろやめてほしいと思っている。
関与するのだから、金をもらうのは当然というのは、今の時代、思い上がりといわれても仕方がない。
金がほしければ、企画を出せ。
ラジオの生き残る道はそれしかない、言い過ぎを承知で今日は書きおくことにする。