フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

人にやさしい社会?・3

個人的な話だが、私はますますテレビを見なくなっている。
私の中では、テレビは「不安を煽るメディア」にしか見えなくなっているからだ。
これでもか、これでもかと同じ画面を流し、ステレオタイプなコメントがなされる。
客が望むものを見せているだけだと関係者が言うが、望んでいるというより、おびき寄せられているという方が正しくはないだろうか。
人間という動物のおびき寄せ方、それがマーケティングというものではなかろうか。
確かに客の欲望に合わせているというのは事実だろうが、その欲望はほっておけば表面に出ないものかもしれないのだ。
人間は、こんなものだと思えばそれ以上は望まない。
だが、一度欲望の蛇口を開放すれば、いくらでも欲望はほとばしる。
それをニーズと呼び、それを金に換えるのが資本主義社会なのかもしれない。
テレビを通じて感じられるのは、欲望への迎合である。
クライアントもそれを望み、視聴者もそれを望む。
だが、そんなサイクルはもういい加減やめたらと私は思う。
そんなことをしている間に世の中はどんどん窮屈になっている。
表現の自由は中途半端なものになり、好戦家が次々と若者の中に生まれつつある。
街の中で人は、困っているものを助けようともしない。
人が迷惑に思っていることを自覚しようともしない。
今の社会、人にやさしい社会からどんどん離れている。
少し前まで、人はコミュニティ(=地域共同体)に守られていたような気がする。
やっていいこと悪いこともはっきりしていた。
陰に陽に人々はコミュニティのルールに縛られていたともいえる。
いつしか、それはなくなった?
コミュニティ意識のなんと希薄なことだろうか。
そこで思うのだ。
コミュニティFMは何のためにあるの?
人にやさしい社会を作るために、自分達のメディアはどうあるべきか、それを考えることも必要ではないの?
ラジオと人にやさしい社会という問題意識をもち始めてから、まだそんなには経ってはいないので、私も理路整然とそれを語ることはできない。
ただ、コミュニティFMはもっとやれることがあるはず。
皆さんから、ぜひそういう声を期待したいと思うのだ。