フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

人にやさしい社会?

同年代の仲間と会う。
実は携帯電話を失ったんだと言う。
携帯電話はデータの塊だし、失ったらやばいんじゃないのと心配したのだが、本人はそこまで危機感はもっていなかった。
ただ不便なだけという感じなのだが、早く回線を止めて、新しい携帯を買ったほうがいいよと忠告する。
私たちの世代は、携帯電話なんかなくってもいいとどこかでは思っているのかもしれない。
なけりゃないでいいよ、というのも私自身はわからないでもない。
で、二人で色々話した中で、現代は失ってはいけないものがますます増えているのではないかということになった。
携帯がお財布ケータイだったり、SUICA機能を付加していたら失った時のダメージは従来より大きい。
携帯にしかそのデータを入力していないものも多い。(電話番号とかメルアドとか)
失えば社会との接点のほとんどを失うに等しいなんていう人もいる。
失うといえば、財布を失うのもやばい。
私の財布には、クレジットカードやキャッシュカードなどが複数枚入っている。
会員カードやID系のカードも入っている。
いつ失うかと思うと、毎日ヒヤヒヤものである。
定期も最近はクレジットカード付きだし、プリペイドカードも何やかやと持っているし、考えたらこんな綱渡り的な状況でよく平気でいられるものだとつくづく思う。
若い間はいい。
記憶力にもまだ自信があるし、精神的なダメージにも強い。
しかし、人間60歳を過ぎたらどうだろう。
日常的にこれらの管理を問題なく処理できる自信はあるだろうか。
社会には、これらをサポートする機能などほとんどない。
そりゃそうだ、75歳を過ぎた老人からいきなり金をむしりとろうと言う社会なのだから。
年金を毎月5万円しかもらえない高齢者から、よくも1万円近い金をふんだくれるものだ。
5万円しか年金がなくても何とか生きている老人はおられる。
でも、その人から医療費が高騰するから金を出せというのはちょっと納得できない。
順番が違うのではないか。
医療費を減らす努力なんか、いつ誰がどこでやった?
老人から金を拠出してもらうのは、最後の手段ではないだろうか。
またその徴収の仕方だって、もうちょっと工夫があっていいのではないか。
世の中がどんどんデジタル化するのは仕方がないかもしれない。
しかし、それに老人も適応して当然だ、それも自己責任だというのなら、そんな人間に厳しい社会など誰が望むのだといいたくなる。
デジタル社会は無機質な社会なのか。
デジタル・デバイドをどうするかという議論はどうなったのか。
エコだのメタボだのロハスだの、わけのわからないカタカナ言葉で人の社会はますます頑なになっていく。
どうやれば、もっと人にやさしい社会になるのか、ラジオマンがジャーナリストならもっと考えを深めていかないといけないだろう。
人にやさしい社会、人にやさしいラジオ、多分、コミュニティFMに望まれているのはそう言ったセイフティ・ネットのような存在ではないかとちょっと思ってみたりするのだが。