フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ローカル局の悩み

民放連が発行している雑誌「月刊民放」4月号に、高知放送の半田社長が寄稿されている。
「とことん田舎局を目指して〜デジタルの特性を武器に」というタイトルがついているが、ローカル局の苦労がひしひしと伝わってきて、大変参考になった文章だった。
高知放送は歴史のあるラテ兼営局で、多分これまでは順風満帆であったようだが、昨今の放送界の構造的な変化に徐々に根幹を揺さぶられ始めているようである。
少しだけ内容に触れておくと、冒頭に「デジタル化のメリットはあるか?」と聞かれて「見当たらない」と答えているという個所がある。
デジタル化は国策であり、免許事業者としては命題であるからやらざるをえないが、その為の費用は回収できないという見通しも同時に述べられている。
早い話、アナログをデジタルにしたところで広告費が増えるとは思えないということだろう。
確かにそれではデジタル化に伴う出費を回収することなどできないと考えても仕方がない。
驚いたことに、高知放送の売上は96年、ラテ合計で67億円あったのに、2007年には20億円減(ということは売上47億?)だという。
一時期の売上の2/3というのは、確かに業態そのものが衰退しているということに他ならないようだ。
特に、ラジオ収入の減少が激しいという表現もある。
話題を集め始めているワンセグ放送の独立編成化も、ローカル局にはビジネスチャンスとはとらえにくいとも言われており、さて、今後高知放送はどんな経営方針を立てて、この苦難の状況を打破されようとしているのだろうか。
その答として、二つあげられている。
一つは「よりローカル色を強める」こと、もう一つは「ラジオ・テレビのメディアミックスの強化」なのだという。
私の率直な感想〜「う〜ん、答になっていない〜」
今までやってきたことを、今まで以上にもっと強くやるというのは、結局新しいことは何もしないということではないだろうか。
今までもやってきたが、これからはもっと強くやるように社員にも指示し、自分も頑張りたいと言っているだけのような気がしてならないのだ。
少なくとも、ここにあるような方策ではラジオは生き返らないと私は思う。
精神力という武器だけでは、時代には勝てない。
コミュニティFMも、それは同じだというのがとってつけたようだが私の今日の結論。