フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ブランド

ある人から相談を受けた。
タレントの修行の場にしたいので、コミュニティFMを紹介してほしいと。
お金は?と聞くと、「いえ、無料で結構です。」と返事。
いや、こちらからお金を出せますかという意味なんだけどと答えると、「はあ、お金がいるんですか?」と怪訝そうに言う。
タレントの修行の場に利用したいというのだから、ただというわけにはいかないだろうと思うのだが、コミュニティFMはボランティアだからという意識しかないようだ。
このあたり、悩ましい問題である。
一般的なラジオ局で、ボランティアというのは原則ありえない。
コンテンツを作るために労力を提供してもらっているのである。
少なくとも、放送を生業とする人に金を払うのは当り前といえば当り前である。
だからこそ、商売にもなるコンテンツ(商品)が生まれるのだから。
ただで得たものを金に替えるというのは、なかなか大変である。
言うならば、そういう目利きが放送局にも必要になってくる。
ボランティアが作る番組にスポンサーをつけるとなると尚更だ。
コミュニティFMにそんな目利きがどれだけいるだろうか。
そんな目利きの人材が何もコミュニティFMにいる必要もなかろうと普通なら思うはずだからだ。
話を元に戻すと、コミュニティFMをタレントの修行の場と位置付けるということだが、タレントにとってはこれは単なる修行の場というだけではない。
タレントにとっての重要な要素に、プロフィールがある。
どんな経歴があるか、どんな番組をやってきたか、今何に出ているか。
書いてある内容で、次の仕事が決まったり決まらなかったりするものだ。
現在の出演番組「なし」では、完全に足元を見られる。
書類選考で、落選ということにもなりかねない。
その時、あまり有名でなくてもコミュニティFMの何とかという番組に出演中とあれば、とりあえず第一次試験パスということになるのではないか。
「腐っても鯛」というと言い過ぎかもしれないが、コミュニティFMにもそれぐらいの価値があるのだ。
いわゆるブランド価値である。
名前の中に、すでに価値が存在しているとでもいうか。
そのブランドが本物になるか、単なる看板になるかは局の価値次第だ。
コミュニティFMにも、本当に価値を感じる局もあれば、もっとやる気のある人たちに周波数を譲渡したらと思うところもある。
小なりといえど凛として矜持を失わず、そんなコミュニティFMにこそ、ブランド価値が生まれてくるのではないかというのが、とりあえず今日の私の意見である。