フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

無用の用

放送局の編成局長と話をする。
今期の命題は、制作経費をどれだけ落とせるかだという。
昨年も同じことを言っていなかった?と聞くと、今年はそれ以上だ、とにかく無駄と解釈できるものは、重箱の隅をつついてでもカットしないといけない、のだそうだ。
でも、それって本当に無駄なものなのだろうか。
「無用の用」という言葉がある。
荘子が大地を例にして言った。
「今、自分が立っている大地、でも本当に有用なものは、自分の足の下の大地であり、それ以外は有用ではない。じゃ、その要らない無用の大地をなくしてしまったら、本来有用なはずの足の下の大地も有用と言えるだろうか。」
無用に見えるものも、今有用に見えているものを間接的に支えているのだということだ。
直接的に必要でないものは、この際すべて切ってしまえ。
そんな風潮が放送業界にボツボツ出始めているように見える。
本当に無用かどうかなど、凡人はわからないと荘子は言っているのだと思うが、そんな深遠な考えはここにはない。
すぐに金に換わるか換わらないかで経営の判断をする愚は、よけいなお世話でも強調しておきたい。
種もまかないのに、作物が生まれるはずがない。
育てる努力があってこその、商品開発ではなかったか。
等と言っていると、営業局長が顔を出して、「ちょっと行きませんか」とお誘い。
久しぶりだから、行ってきます。
また明日。