フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

インターネットラジオ・4

昨日のitmedia newsに次のような記事があった。

ビートルズをオーディションで落としたスカウト担当者は長らく、『音楽業界で史上最大の判断ミスを犯した人物』とされてきた。
 だが米音楽誌Blenderが先日発表した『音楽業界史上最大の失策トップ20』のリストでトップの座に輝いたのは、このディック・ロウ氏の10億ドル規模の判断ミスではなく、『レコード会社がインターネットを十分に活用できなかったこと』だった。
 大手レコード会社はファイル交換サービスNapsterの数千万人のユーザーから利益を上げる方法を考え出す代わりに、2001年に同社を廃業に追い込んだことに対し、最高に不名誉な評価を受けた。Napsterを廃業させても、結局ダウンロードユーザーはほかの数百ものサイトに散らばっただけで、音楽業界はそれ以来、厳しい不景気に見舞われている。」
1999年のレコード協会広報室長のインタビューとも重なってくる話だ。
ネット・ユーザーからのニーズが高まっていたにもかかわらず、レコード協会はその要望を無視しつづけた。
渋々ダウンロードを認めるということになって、つけた値段が1回あたり350円とか500円とか。
シングルCDが1000円だから、1曲にすると500円。
パッケージ分を引いて、350円という発想のようだった。
私は当時自分のメルマガで「誰がそんな値段を払ってまでダウンロードをするのだ。」と苦言を呈したことがある。
早い話、ネットユーザーに敵対しているとしか思えなかった。
Napsterが違法なダウンロードを助長させていたのも事実だったが、それはネットで交換される情報は基本的にフリー(無料)という風潮があったからではなかったか。
ネットが音楽産業をおびやかしている、違法なコピーによって膨大な損害を業界に与えているというキャンペーンに私はあまり同意できないものがあったのは事実だ。
あげくにコピーコントロールCDなどを導入するに至っては、「大丈夫?ネット・ユーザーを本格的に敵に回すよ」と関係者に問い掛けたものだった。
その後、起きた事態は私の危惧した通りで、レコード会社の現場はどうやってCCCDの対象から外れるかを工夫していたことを思い出す。(私が製作したアルバムも結局CCCDにならなかった。→ 浜村淳の甦る心の名画座
音楽業界がネット・ユーザーを味方をするためには、コンテンツの利用に関するユーザーの利便性を重視したルールの提示が不可欠だった。
にもかかわらず、従来のビジネス慣行を守るためにネット敵視政策を採用してしまい、今の体たらくを生んだのではないかと私は思うのだ。
インターネット・ラジオを音楽業界の再生に利用することもできたはずなのに、とにかく勝手な音源利用はさせないという方向に走り出してしまった。
業界もWIN、ネット・ユーザーもWIN、そんなWIN-WINの関係を拒否したとしか思えない彼らの動きに、私は唖然とさせられたものだった。