フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

インターネット・ラジオ・3

今日、ある芸能プロダクションに行き、4月からの番組のフォーマットを打ち合わせてきた。
中で、ひとつのプランとして、番組の一部をサーバに置き、ウェブユーザーにも番組を楽しんでもらう話をした。
しかし、プロダクションの反応はこうだ。
うちは、某音楽業界団体に所属しており、ネットに音声を置いて自由にユーザーが使うことを許すかどうかは勝手に決められない。
要望だけは聞いておきますとのことだった。
音声のダウンロードは、サンプリングされて勝手に使われる可能性がある、だから無条件では認められない、ストリーミングに関しても一応お伺いを立てないといけないと判断しているようだった。
いわゆる法務対策の問題である。
私も音楽業界の端にいる人間なので、その危惧はわからないでもない。
というか、一般の人が思うほど、業界はネットに寛容ではないのである。
違法コピーの温床だという人もいるし、新興勢力の業界かく乱に使われかねないという人もいる。
そういえば、今から10年近く前にレコード協会の方が次のようなことを言っていた。
「コンテンツを握っているのはレコード会社ですから、われわれが協力しなければ、どんなシステムも単なる箱に過ぎません。昨年以降、音楽業界以外からもいろいろな形で提案がありますが、レコード会社としては、まだ、提案を本格検討する時期ではないと思っています。」
(1999.05.19 読売 BIT by BIT 海老原広報室長インタビュー)
根本的には、この考え方とあまり変わってはいない。
レコード協会は弱体化していく一方だが、それを何とかしようという発想はあまり聞かれない。
コンテンツを握ったまま、インターネットの海に沈んでいくつもりなのだろうか。
新しいビジネスに臆病なのは、既得権者なら当然かもしれないが、もうそろそろ新しい勢力が新しい秩序を産み出すべきではないだろうか。
インターネットラジオに協力するつもりのない音楽業界、芸能界をまともに相手にする必要などないだろうと思うが、新規参入者はそこまで思い切った発想も持てないようだ。
ネットの時代は、厳密な意味では我々の業界ではまだ始まりかけただけの段階かもしれない。