フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

裏金余話

放送局には裏金がつきもの、なんて話を昨日書き込んだわけですが、そういうオイシソウな話があるから今もコミュニティFMを作りたいと思う人がいるのかもしれません。
言っておきます、コミュニティFMはオイシクありません。
少し前までは、コミュニティFM設立にまつわる金が設備業者やコンサルタントを潤していたこともありましたが、今や普通の事業と同じぐらいかそれ以下の利益しか生まれなくなりました。
コミュニティFMの設立を10局ほど請負うと自社ビルが建つなんて、そんな与太話がまことしやかに流れた時が懐かしいというか。
そういうことで、裏金とコミュニティFMは今のところあまり関係がなさそうです。
さて、何故こんな話をしたかというと、田中森一さんの「闇社会の守護神と呼ばれて〜反転」(幻冬社刊)を読んで少し考えてしまったからでしょう。
田中さんは、元特捜検事で辞職後いわゆる闇社会の弁護を専門にされ、現在経済詐欺事件で被告人の身にある方。
本自体は、結局自己弁護のためといえないこともないのですが、示唆に富むことが多いというのが私の実感です。
特にホリエモン村上ファンドニッポン放送株を買占めた事件は、ITなどというものとは何の関係もない、昔から闇社会で行われている仕手筋の手法とまるで変わらないと指摘されているのには納得してしまいました。
言い方を変えれば新興の仕手筋が、フジサンケイグループ周辺に頼まれた勢力に制裁を受けただけのことなのだと言うことでしょう。
権力側からしても、どこの馬の骨ともわからないホリエモンとか村上ごときに、我々の仲間フジテレビ(あるいは放送業界)をいい様にされてたまるかということもあったようです。
新興勢力に放送という利権を食い荒らさせない、今までの分配方法を変えさせない、自由化だ国際化だといっても、既に安定している利権の分配を大幅に変更するなどありえないという権力側の意志が表れているようです。
構造改革だ、改革をとめるなと言っていた小泉元首相の話など、いつのまにか吹き飛んでしまっている現状を見ると、田中森一さんの指摘もそうなのかなと思わないでもありません。
「マスコミには、カネ儲けをするためなら何をやってもいい、という風潮に警鐘を鳴らすために事件化したといった論調を見受けるが、検察がそんな迂遠な動機から立件したとは思えない。体制の一翼を担う放送局を、ホリエモンのようなうろんな輩に握らせるわけにはいかない、という検察上層部の判断があってこその立件だったのだろう。」(同書p287)
昨日の裏金の話もまた同じです。
放送局内の秩序を破壊しない程度の裏金は許容するが、それが今の局内のバランスを変えようとするなら、それを摘発するのもやむをえないのかもしれません。
紅白歌合戦にしても、レコード大賞にしても、すでに週刊誌やネットでその裏側が色々と取りざたされていることは周知の通りです。
放送局のバランスがとれている現状では、これらが根本的に指弾されることはまずありえないでしょう。
放送局が守るべき利権というのは、ただ単純に電波のみというわけではないのですから。