フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ラジオを舞台にしたドラマ・2

さて、昨日FM東京のスタジオを使ったNHKのドラマ「婚約」のことを書いたのだが、その時に思い出したことを今日は書く。
多少記憶ミスがあると思うが、私が当時気になったのは次のストーリー。


確かな理由は忘れたが、山城編成局長(部長?)は、秋吉久美子が出演している番組(クラシック番組だったと思う)を終了させようとする。
現場の反対を感じて、ディレクターを平田満に変え、平田Dは上司の指示に従い、淡々と終了に向かって番組制作を続ける。
どうしようもできない、手塚理美


この中から感じるのは、少しでも面白い番組を作ろう、意義のある番組を作ろうという有能なディレクターを外し、とにかく自分の指示どおりに番組を作るディレクターに変えようとする責任者の問題、そして、その指示に唯々諾々として従うディレクターの問題だ。
結果生まれる番組は、今まで支持してくれたリスナーを考慮に入れないありきたりの番組ということになる。
ディレクターのやる気を奪うと同時に、リスナーの気持をシラケさせる、私が一番嫌うパターンになる。
間違ったやる気は是正するのが先達のつとめであることは言うまでもないが、可能性のあるやる気をいかにしてプラスの方向に向けるかも指導者のつとめである。
言うことを聞かないからと従順なディレクターに変えるなど最低なやり方である。
NHKなら、このあたりの判断は難しいところだが、民放だったら現場の意志をもう少し尊重できる余地があるのではないだろうか。
とにかく、この類の話、私は相当数見てきたような気がする。
民放で一番優先するべきことは、リスナーの意志、それに提供クライアントの意志ということになる。
現場のディレクターがそれを常に意識していると信じられるなら、つまらない上司の口出しは無用である。
自分の意志をもたないディレクターなんて、クリエイティブの世界に必要だろうか。
こういう存在をユーティリティ・スタッフとして重用される方もおられるが、私はこういう従順だけがとりえのスタッフは一緒に仕事をしたくないと思っている。
さて、今日は少し過激なことを書いてしまった。
先日、とりあげた映画「Little DJ」だが、「お笑いマスメディア論」に寄せられたコメントの中に、伊集院光さんが番組内で「ラジオのことをわかっていない内容」と批判したとあった。
まだ私も見ていないのだが、ラジオの人間には、ラジオの人間にしかわからない面もあるわけで、外部の人がそれに気づいていないことに不満なのは私にも理解できる。
ま、こちらも早急に映画館に見に行って、自分の意見を書こうと思うが、さてそんな時間的余裕がこれからあるだろうか。