フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

ラジオの失敗

sparkさんのコメントに「AMステレオの失敗」という表現がありました。
確かに、AMステレオというのは失敗したのでしょうね。
誰がAMをステレオ化しようとしたのでしょうか。
狭い帯域を使ってステレオ放送を可能にさせる技術を見出したというのが原点だったと思われます。
AMでもステレオ放送ができるようになり、FM局がステレオ立体放送を喧伝し成功していく中で危機感を覚えたAM局があおられるようにスタートしたのがAMステレオ放送というわけです。
サッカーも野球もステレオで聞くと楽しみが増えますなどと宣伝していましたが、受信機の方が全く普及しなかったのが現実でした。
一番の誤算は、カーラジオがほとんどAMステレオに対応しなかったことです。
メーカーにしてみると、どう考えてもAMステレオへのリスナーのニーズがあるように思えなかったのでしょう。
チューナーがなければ、どんな放送をしてもリスナーには届きません。
これはCS-PCM放送(ミュージックバード他)にしても、BSラジオにしても、モバホ!にしても同じようなことが起きていました。
失敗の本質は、消費者ニーズの見誤り、それを冷徹に見ていたメーカーが受信機を増産しなかったことでしょう。
放送が始まれば、ユーザーは買うはず。
メーカーは放送のための端末(チューナー)を作るはず。
放送は利権だから儲かるはずという、驚くべき楽観論が放送業界に横行していたからではないかと思うのです。
デジタルラジオだって、それで言えば同じような問題点をかかえていそうな気がします。
コミュニティFMだって、これを成功だと合理的に説明できる人はそうはおられないでしょう。
私が最近思うことは、もはやラジオで成功するパターンはあまりないのではということです。
失敗を数えれば、両手でも足りない、それがラジオの今置かれた位置ではないか。
そう決め付けるのも何なのですが、そんな気になる今の私なのです。