フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編

コミュニティFMについてラジオプロデューサー、フロムさんが色々語っています。

16.7%減?

業界紙を見ていて、TFMの中間決算が16.7%減という数字に驚いた。
言い換えると、昨年の83.3%しか売上がなかったということで、容易ならざることだなと思ったわけだ。
TFMはサイトに決算の数字をアップするので、半信半疑で覗いてみることにした。
それによると、上半期の売上は134億あまりで、昨年上半期161億あまりと比べて、27億円売上減になっている。
27億減というと、ラジオ事業としてはとんでもない数字である。
何故そんなに減ったのかという疑問に対して、本年度のFM局の営業収入は6.5%減が予想されていること、イベントの主催契約関係を見直したことに伴い、興行収益の計上額が減少したことなどが理由としてあげられている。
前者は確かにその通りで、電通発表のラジオ関係の売上高でもそれぐらいの数字の減が出されていた。
ラジオ全体として、もはや昨年度比95%しか売上がないというのが現実なのである。
後者は一般人にはわかりにくい表現である。
実質的に売上が減ったわけではなく、従来計上していた部分(多分チケットの売上だと思うのだが)を今回外したということではないだろうか。
早い話、コンサートのチケット代を全額売上に一旦計上し、それをそのままイベンターに戻していたのをやめたと理解したらいいと思うのだが。
そういうわけで、半期で27億の減というわけなのだが、これだけではTFMの実際の状況はよくわからない。
何しろ、会計基準が変ってから、TFM単体ではなく子会社を含めた連結決算になっているので、ラジオだけの売上の変動だけを見ていたのでは理解しにくいことが多いのだ。
TFMの報告書には、ラジオ単体の数字も発表されている。
それによると売上高89億(昨年度114億)、22%減となっている。
うわ、もっとひどいじゃないと思われるかもしれないが、上記のイベント収益の未計上はTFM本体の話で、その損益計算書によると24億ぐらいが引かれており、実質的にはそれほどの減ではないようである。
実際のところ、中間純利益は昨年より5000万ほどだが増えているのである。
つまり、TFMが無茶苦茶悪いわけではない、このラジオ業界が苦しい時にそこそこ健闘はしているというのが結論かもしれない。
それにしても、放送収入自体は7%程度の減である。
TFMも大変だが、もっと影響の出るのはネット局、とりわけ地力があまり備わっていないローカル局だろう。
TFMの放送収入が減ることは、自分たちの売上が自動的にその分減るわけだ。
しかも、それを埋める手段を他に持たないとするなら、TFMの放送収入減は局の存立を危うくすることに直結する。
ラジオは大変だと私はこの欄で何度も書いているが、今年から来年にかけてJFN系列局の経営問題が出てくるのではないかと思わないでもない。
コミュニティFMも大変だが県域FMも大変だ。
他人の不幸を面白がっている場合ではないかもしれない。